大阪|貴重な絵画や陶磁器を収蔵する「逸翁美術館」2024年度展覧会スケジュールを発表

阪急東宝グループ(現 阪急阪神東宝グループ)の創業者である実業家・小林一三さん。「逸翁(いつおう)」の雅号で俳句や茶の湯に親しみ、美術品の収集家としても知られる。

その遺志を継いで膨大なコレクションを収蔵する大阪・池田市の「逸翁美術館」では、2024年度に4つの展覧会を開催する。

重要文化財指定記念展に始まり、浮世絵、漆芸、色に注目して鑑賞するアートなど、多彩な切り口で作品を紹介する。

「逸翁美術館」年間スケジュール

4月13日(土)~6月9日(日)には「地蔵十王像重要文化財指定記念展 地蔵と地獄」を開催する。

同館所蔵の「地蔵十王像」(絹本着色、13世紀)が国の重要文化財に指定されたことを記念し、同作品を陳列するとともに細部の詳細な図様を拡大して作品の魅力を解説する。

あわせて庶民を救済するとして信仰を得た「お地蔵さん」や、天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄からなる六道の代表格「地獄」を描いた作品・資料を紹介する。

7月6日(土)~9月1日(日)には「いきもの図鑑 ~浮世絵から探し出せ!~」を行う。歌舞伎の世界を描いた浮世絵から「いきもの」に注目。

馬や猫など江戸から明治期の人々が見慣れた生物のほか、人に化けた狐や鷺、妖術で現れる巨大な鷹やガマガエル、滝をのぼる竜など想像上の生物も登場する。

9月21日(土)~11月24日(日)には「漆芸礼讃 -漆工・三砂良哉-」を開催する。

三砂良哉(みさごりょうさい)さんは、明治から昭和にかけて活躍した漆芸家。華やかな場を嫌ったことから未だ高い評価を得ていないが、絵画的で風雅な作風で知られ、遺っている作品は技術力の高さだけでなく創作性・デザイン力に満ちあふれる。本展は、三砂良哉さんを大々的に取り上げる日本で初めての展覧会となる。

2025年1月18日(土)~3月16日(日)には「黒い美術(ART)」と題したユニークな展示を実施。

美術に欠かせない色「黒」に注目し、水墨画や古筆切、墨蹟などの掛軸や、樂茶碗や瀬戸黒茶碗、漆を用いた硯箱や棗、器などを収蔵品の中から展示し、黒い美術(ART)を取り上げる。

茶室「即心庵」での呈茶も定期開催

逸翁美術館の館内には、小林一三さんが自ら考案した椅子席で楽しめる茶室「即庵」を再現した「即心庵」がある。

展覧会会期中の日曜日*、各席5名を定員とし10:50、11:30、12:10、13:10、13:50、14:30に呈茶を行う。

料金は一服500円で、10時より美術館受付で当日分のチケットを販売する。電話等での予約は不可で、来館者多数の場合は9時50分より1階正面玄関前にてひとり2枚まで整理券を配布する。

年間を通して日本の文化に触れられる興味深い企画が続く。呈茶のスケジュールもチェックしながら出かけてみたい。

逸翁美術館
所在地:大阪府池田市栄本町12-27
観覧料(1):企画展(2024展示 II、2024展示 III、2025展示 I)一般700円
観覧料(2):特別展(2024展示 IV)一般1,000円
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
美術館公式サイト:https://www.hankyu-bunka.or.jp/itsuo-museum/
呈茶案内:https://www.hankyu-bunka.or.jp/itsuo-museum/guide/teicha/

2024 展示 II 地蔵十王像重要文化財指定記念展 地蔵と地獄
期間:4月13日(土)~6月9日(日)月曜休館
休館日例外:4月29日(月)・5月6日(月)は開館、4月30日(火)・5月7日(火)は休館

2024 展示 III いきもの図鑑 ~浮世絵から探し出せ!~
期間:7月6日(土)~9月1日(日)月曜休館
休館日例外:7月15日(月)・8月12日(月)は開館、7月16日(火)・8月13日(火)は休館

2024 展示 IV 特別展 漆芸礼讃 -漆工・三砂良哉-
期間:9月21日(土)~11月24日(日)月曜休館
休館日例外:9月23日(月)・10月14日(月)・11月4日(月)は開館、9月24日(火)・10月15日(火)・11月5日(火)は休館

2025 展示 I 黒い美術(ART)
期間:2025年1月18日(土)~3月16日(日)月曜休館
休館日例外:2月24日(月)は開館、2月25日(火)は休館

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002129.000005179.html

(SAYA)

* 呈茶の実施日時は変更となる場合があるため、来館前に公式HPで確認することを推奨