デンソーは、バーチャル空間上にオフィスを提供する「RISA」を導入した事例を発表した。
■そこに行けばみんなが居る感覚
以前よりリモートワークへの移行は考えていたが、新型コロナウイルス感染拡大によりリモートワークへの移行を決意したというデンソー。
代表取締役社長の岡氏と、経営管理本部の道元氏によると、「RISA」の導入前にもTeamsやZoomを活用してリモートワークを実施していたが、組織全体の連帯感、一体感の欠如や雑談・相談・挨拶といった何気ない日常のコミュニケーション不足に強い課題を感じていたという。
「RISA」の導入を機に、定期的な朝礼・夕礼を設け、コミュニケーション機会を作るようにした。その結果、これまでになかった出勤時の「おはようございます」退勤時の「お疲れ様でした」といった挨拶が、自然と毎日発生するようになった。
また「そこに行けばみんなが居る感覚」があり、コミュニケーションを取る機会が増加。岡氏は、特に代表という立場で社員の様子が気になるので、「RISA」を見ていて安心できると話す。
■今後も職種を問わず全員にリモートワークを推奨
東京事務所(本社:大阪)もリモートワークを実施して同じクラウドオフィス内に出勤しているが、リアルだと発生しなかった拠点間のコミュニケーションも生まれるようになった。
これまでは電話で1対1のコミュニケーションは可能だったが、例えばバーチャルオフィス内の東京エリアに歩いていき、「元気?」と声を掛けて周ることも「RISA」だと可能になった。
コロナの終息は関係なく、今後も全社員にリモートワークを推奨していく予定だという。
デンソーは、リモートワークは職種で可能か否かを判断するのではなく、各社員が自分のタスクを分解し、これは出社しないとできない、これは在宅でもできる、と自立的に動けばベストミックスな働き方が実現可能だと考えている。
最終的にはオフィスも縮小し、コワーキングスペースにレイアウト変更したいということだ。
テレワーク特有のコミュニケーション不足という問題点を「RISA」によって解決したという事例、参考にできる企業は少なくなさそうだ。
RISA:https://risa.ne.jp
(Yuko Ogawa)