ダンヒルが過去と現在を再構築した男性像の「2022春夏コレクション」発表

遊び心とエレガンスが並び立つコレクション。

■実用性と贅沢さの衝突、「2022春夏コレクション」

英国のラグジュアリーブランド「ダンヒル」は、「2022春夏コレクションIDENTITIES」をデジタルで発表した。

今回のコレクションでは、ある特定のアイデンティティに注目したいと考えました。それは、衣服の典型であると同時に、英国らしさやマスキュリニティ、そしてユニフォームのアイデンティティであり、ダンヒルの過去、そして確立しようとしている新時代の典型でもあります。英国とダンヒルにおける個人のスタイルとアイデンティティの特異な組み合わせ、そしてメゾンのためにそれらを再定義することで、性格と衣服がどのように調和するかということです。

このようにダンヒルのクリエイティブ・ディレクター、マーク・ウェストン氏は語る。

2022春夏コレクションで顕著なのは、スタイルとアイデンティティ、そして実用性と贅沢さの衝突だ。典型的なキャラクターと衣服が組み合わさり、相乗効果を生み、上品な不完全性がリラックスした雰囲気を感じさせる。

これらを可能にしているのは、実用的に作られた上質なファブリックだ。

デコ・ダンディからハイビス・ハンディマン(作業員)まで、従来のユニフォームを着た伝統的な男性像から意図的で且つ挑発的な女性らしさを表現した80年代のカジュアルまで、英国の男性像は、ダンヒルの過去と現在の歴史を創り出す要素と同様に、遊び心をもって再解釈されている。

■貴族的なエレガンスをプラス

多機能性、ファウンド・オブジェクト、ドメスティシティといった感覚は昨シーズンから引き継がれているが、リラックスした貴族的なエレガンスがプラスされより進化を遂げている。

何通りにも着ることのできる多機能な服「コンペンディウム・コート」は、ジッパーで分離するとジャケットになり、ライニングを取り外せば、単体でも着ることができる。

全てを叶える贅沢かつ実用的な素材により、多用途に使える。そしてエレガンスが、常に変化しながらも永遠に愛され続ける1つの形を見出している。

ダンヒルの新時代を象徴するナイロンの代替素材「シルクファイユ」を警告色でコラージュすることにより、ハイビス ジャケットを豪華に生まれ変わらせている。

コートと同じ精神が流れる「コンペンディウム トレンチ」も展開。ベンタイルコットンを使用したトレンチは、英国軍のフライトスーツと同じ製法で作っており、コレクションの重要なファブリックである超軽量ナイロンも使用している。

■スプリットヘムのトラウザーも登場

また、ダンヒルの新時代のハウス シグネチャーとして、フロント部分がプリーツのアイテムやスプリットヘムのトラウザーも登場する。

温かみのあるパステルカラーのブランケットニットは、重ね着できるラップカーディガンへと生まれ変わった。

ダンヒルの新時代の定番となるラップ・テーラードジャケットは、テーラリングのしなやかな感性をコレクションにもたらしている。クラッシュドサテンのネクタイをほどいたスタイルも繰り返し登場し、危うさの中にあるエレガンスを感じさせるモチーフとなっている。

グログランリボンのストラップが付いたダービーシューズも実用性と豪華さの両方を感じさせ、上質な素材の中に、リラックスした不完全さが光る。

いい具合に力の抜けた大人の男に、フィットしそうなコレクションだ。

公式サイト:www.dunhill.com

(冨田格)