建築に興味がある人、個性的な道具を探している人におすすめしたい注目のコラボが始まった。
■建築の発想や素材から生まれる暮らしの道具
その土地の環境や文化に溶け込み、素材を大切にする建築家・隈研吾氏。一方、日本各地の素材・技術・風習を活かしたものづくりをする中川政七商店。
同じ志のもと、建築と工芸がひとつになるものづくりをはじめた。
1716年創業の奈良の老舗「中川政七商店」は、日本を代表する建築家・隈研吾氏率いる「隈研吾建築都市設計事務所」との初のコラボレーションプロジェクト「Kuma to Shika(くまとしか)」を始動。
建築の発想や素材から生まれる暮らしの道具全10種を、中川政七商店オンラインショップおよび直営店、東京国立近代美術館で開催の「隈研吾展」にて数量限定発売中だ。
■コラボアイテムのラインナップ
隈研吾氏や日本古来の建築技法の「発想」から生み出した商品と、建築現場で使用される「素材」の2つのアプローチから、全10種が生まれた。
日本の木造建築で用いられる組木の技法を、幾何学的な解釈をしてつくったのは「組木の飾り棚」。単純な台形のパーツを組み合わせるだけで意外な表面起伏の棚が立ち現れる。
また手漉き製法による「和紙の折りタペストリー」は、折りの表情があることで空間に心地よいリズムが生まれる。
「銅のはつり折敷」は、日本古来の建築に出てくる「はつり」や「なぐり」の技術を活かしたもの。板の表面に道具の痕跡をのこし、それを味わいとしてみなす「はつり」模様を写し取っている。
大きな織り目が印象的なトートバッグは、建築現場で建物の養生に使われる飛散防止用のメッシュシートを使用。耐荷重45kg(大)・15kg(中)と、建築現場で使用するからこその丈夫さをもち、またプリーツ加工を施すことで折り紙のようにきれいに折り畳むことが可能だ。
また建築によく用いる素材からスギ・クマザサを選び、「ボタニカル・ダイ」という染色技法で染めた花ふきんとかや織ガーゼハンカチは、穏やかな色合いながら色落ちもしにくく、長く使うことができる。
いずれも数量限定のアイテム。気になるものがあったら、早めに入手した方が良さそうだ。
中川政七商店オンラインショップ:https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/e/ev0353/
東京国立近代美術館「隈研吾展」開催中(~9月26日)
※価格は税込
(冨田格)