阪急甲陽線の苦楽園口駅周辺はブーランジェリーやパティスリーがいくつも点在する地域。2010年、駅から徒歩10分ほどの場所に小さな和菓子店「こはく」が開店した。
和菓子の並ぶショーケースの右側にちょっとしたイートインスペースがあり、購入した和菓子がいただける。
夏が近づくと店先に「氷」の吊り下げ旗が下がり、かき氷のメニューも登場。テーブルに座ると暑い時期には冷茶を出してくれるので、ほっと一息。
かき氷の名物は「氷わらび」。
かき氷をオーダーすると少しののち、調理場からシャッシャッと小気味よい音が聞こえる。
「氷わらび」は薄くサラサラに削られた氷に黒蜜とたっぷりのきなこが掛けられている。氷の中にはこはく特製のプルンとしたわらび餅が隠れている。
黒蜜と香ばしいきなこ、やわらかいわらび餅とくれば和菓子好きにはたまらない味。すっと溶けるふわふわの氷も絶品だ。
和菓子店舗ならではのメニューは、みぞれの中に水ようかんの入った「かまくら」や氷を溶かしながらいただくぜんざい「氷白玉ぜんざい」、遊び心が感じられるこはくオリジナルの「おやじさん」など。
名前に魅かれてオーダーした「おやじさん」は氷ミルクの真ん中に葛餅がドンと入っている、納得のネーミング。
かき氷はボリュームもあり、完食するころには体の芯から冷えてくる。セルフサービスでいただける温かいお茶が用意されているのが嬉しい心使い。
かき氷には白玉・金時・ミルクのトッピングも追加できる。
和菓子は、わらび餅やいちご大福、桜餅、うぐいす餅、おちつき餅など季節ごとにそれぞれのおいしさが際立つ手作り。
かき氷をいただいている間にも和菓子を購入される客が次々に来られ、人気のほどがうかがえる。
若いご夫婦で切り盛りされている街で愛される小さな和菓子店「こはく」。末永くおいしい和菓子やかき氷を提供されることを願う。
住所:兵庫県西宮市南越木岩町15-12
(小椚萌香)