日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」。
ホームページのコンセプトから引用させていただくと、『戦後の高度成長を経て機械製材と電動工具が広まり、今日ではテクノロジーの発達とともに手道具を使う職人は急激に少なくなってきた。
消えてゆく大工道具を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて後世に伝えていくことを目的に昭和59(1984)年、神戸市中山手に「竹中大工道具館」を設立した。
会館30周年の平成26(2014)年に竹中工務店ゆかりの地、新神戸駅前に新たな博物館をオープン』した。
モダン建築に見える建物にはいたるところに大工や左官・瓦師などによる日本の職人技が散りばめられる。
館内では木の温もりが随所に感じられ、屋外では屋根瓦の美しさに目を奪われる。
常設展は迫力のある唐招提寺金堂組物の実物大模型を中心に「歴史の旅へ」「棟梁に学ぶ」「道具と手仕事」「世界を巡る」「和の伝統美」「名工の輝き」「木を生かす」の7つのコーナーの展示が地下1階と地下2階に。
展示物に触れるコーナーでは匠の技の素晴らしさや木材の種類による重さの違いを実感。
茶室スケルトン模型では普段目にすることのない細かな手仕事による日本建築の美しさの裏側を見ることができる。
企画展では5月6日まで「アニメーションにみる日本建築-ジブリの立体建造物展より-」展を開催中だ。
展示協力として携わった「ジブリの立体建造物展」から、「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などに登場する日本の建築を採り上げ、建築史家・藤森照信氏の監修により紹介する。
作品に登場する建物に関連する背景画や美術ボード、美術設定といった制作資料(複製)を公開。
建物の描写の細微に亘る美しさに釘付けになること間違いない。
「となりのトトロ」に登場する草壁家住宅を一部立体で表現し展示する2階にあがる階段は、誰もが思わずのぞき込んでしまう。
ミュージアムショップにはカンナを模した鉛筆削りやオリジナルの木組みパズルなど洒落たお土産がそろう。
トリップアドバイザー「2017エクセレンス認証」を受賞した竹中大工道具館は新幹線新神戸駅から徒歩3分ほどの場所。新神戸駅を利用する際には立ち寄ってみてはいかがだろう。
館内は企画展を除き写真撮影が可能である。
住所:神戸市中央区熊内町7-5-1
竹中大工道具館 公式サイト:https://www.dougukan.jp/
(小椚萌香)