兵庫県内の工芸士と作業風景、工房を展示。長谷川佳江氏の写真展「工人の軌跡」が新宿「シリウス」にて開催

新宿にあるアイデムフォトギャラリー「シリウス」にて長谷川佳江氏の写真展、「工人の軌跡」が9月7日(木)~13日(水)の期間、開催されている。

同展ではモノクロ写真(A3)が約100点、組み写真形式で展示される。長谷川佳江氏の写真展を観に新宿まで足を運んでみてはどうだろう。

兵庫県内の工芸士と作業風景、工房を展示

工人(こうじん)とは、工芸士を指して使用される言葉で、訓読みだと「たくみびと」とも読める。同展で展示するのは、兵庫県内の工芸士と作業風景、工房だ。

工芸士の厳しい現状

現在、兵庫県のみならず、日本の工芸士は生き残りをかけて戦っている。日本人がいいものを大切に使う習慣が無くなった、または日本製を使用しなくなった時代の悲しき変遷によるものだ。

工房のいくつかではそんな日本に見切りをつけ、海外輸出に重点を置いているところもある。テレビ・新聞・雑誌等で見る優雅な姿とは裏腹に、工芸士の現状は厳しいという。

長谷川氏のコメント

長谷川氏は以下のようにコメントしている。

「私は何度も播州三木刃物の伝統工芸士を撮影するため工房へ出かけますが、そこでは工芸士の方々から『昔はこの辺一帯が鍛冶屋だったんだけど。』と聞きます。

さらに『伝統の継承』に関しては大変厳しい状況です。今の時代に薄給(もしくは無給)を気にせず弟子入りされる方は数少ないと思います。『衰退産業』と言ってしまえばそれまでです。しかし私は『記録』するために撮影しません。なぜなら『記録』に重点を置くと『消える』が前提になるため、嫌なのです。

当展覧会を通じて工芸士の方々を身近に感じていただき、工芸品に関心を高めてもらいたいと願って止みません。」

日本人がいいものを大切に使う習慣が無くなり、日本製を使用しなくなった時代の悲しき変遷により、工芸士の現状は厳しいという。工芸士の現状を知るためにも同展へ行く意味は十分あるのではないだろうか。

長谷川佳江 写真展「工人の軌跡」
会場:アイデムフォトギャラリー「シリウス」
所在地:東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
会期:9月7日(木)~13日(水)
開館時間:10:00~18:00 ※最終日は15:00まで
休館日:日曜日
入場料:無料
公式サイト:https://www.photo-sirius.net/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001349.000002663.html

(角谷良平)