お洒落なリノベ実例写真多数!「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2022」が選んだ今年を代表する事例を紹介

リノベーション協議会は、2022年を代表する魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2022」の授賞式および選考委員による講評会を、12月6日(火)に東京大学本郷キャンパス内にて開催。

お洒落なリノベーション実例写真は見ているだけでも楽しいし、参考になる。どのような事例が受賞したのか紹介したい。

施工費別に設けた部門

同コンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に「500万円未満部門」「1000万円未満部門」「1000万円以上部門」「無差別級部門」の4部門を設けている。

全国からエントリーされた計260作品を、リノベーションの楽しさ・魅力・可能性という点にフォーカスして、総合グランプリ、部門別最優秀賞4点、特別賞14点を決定した。

総二階建ての建物を平屋に

総合グランプリを受賞したのは、モリタ装芸の「総二階だった家(平屋)」。

リノベーションの対象となった素材は、空き家になっていた築47年の両親の家。言うまでもなく、全国的に深刻化する空き家問題の核心である。

総二階建ての建物をダルマ落としの要領で平屋にし、床面積を半分に減築したリノベーションは、世帯あたりの同居人数の縮小や高齢化という人口動態の変化にも対応している。

また、現代的な空間の中に古い柱を意匠として取り込むことで、愛着ある実家の思い出を留めたデザインも巧みだ。南側の庭に面した大開口部に設けた深い軒は、夏の日射遮蔽をしつつ、上品な別荘のような落ち着いた風情を醸し出している。

大正建築を部分リノベ

「500万円未満部門」の最優秀賞は、フクダハウジングの「inherit from TAISHO ~古民家×アンティーク~」。

同部門は、インテリアに強いこだわりをもつ施主の存在は大きい。同作品では、アンティーク好きの施主のミッドセンチュリー的な要素を、古民家に合わせた。

建築は「強・用・美」と言われるが、施主の「美」の感覚を織り込みつつ、「強」と「用」を一定コスト内で落とし込み、大正建築を部分リノベで見事にバランスさせた。

人も鳥も幸せな環境

「1000万円未満部門」の最優秀賞は、NENGOの「5羽+1人で都心に住まう」。

家族のかたちやありようが多様に変化している現在において、人間だけではなく、一緒に暮らすペット(コンパニオンアニマル)たちのことも、等しく家族の一員と考える価値観がより当然になってきている。同作品の空間が作り上げたのは、人と鳥たちの互いにご機嫌な環境だ。

間取り・空間使いの工夫

「1000万円以上部門」の最優秀賞は、ルーヴィスの「Ring on the Green風と光が抜ける緑に囲まれた家」。

活かしきれていなかった8つの開口の恩恵を、最大限受けられるような間取り・空間使いの提案。また、東京の住宅地の2階というデメリット(騒音や隣の建物との近さ)を解消する様々な工夫が見られる作品だ。

人々が集う庭となった駅前ロータリー

「無差別級部門」の最優秀賞は、ブルースタジオの「駅前ロータリーを歩行者の手に取りもどせ『ざまにわ』」。

同作品は、座間駅東口のロータリーを、人をピックアップする機械的な場所としてではなく、“人々が集う庭”として再編集。「ざまにわ」と名付けられたその場所は、また人々と街のつながりを生み出す場所として生まれ変わった。

リノベーションを考えている人は、今回の受賞作品を参考にしてみては。

受賞作品詳細:https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html

(田原昌)