日本遺産のジャパンレッドを体感|備中吹屋・旧吹屋小学校の一般公開を開始

明治33(1900)年に東西校舎、同42(1909)年に本館が完成し、平成24(2012)年の閉校まで国内最古の現役木造として使用されていた、ベンガラと銅の町・備中吹屋にたたずむ旧吹屋小学校。平成15(2003)年には、明治時代後期を代表する擬洋風の学校建築として、岡山県の重要文化財に指定されている。

この貴重な文化財を後世に残すため、7年にわたって行われた保存修理工事が3月末に完了、いよいよ一般公開を開始した。

7年の時を越え、よみがえった旧吹屋小学校

7年の時を越えて、岡山県指定重要文化財である旧吹屋小学校がよみがえったことで、「日本遺産認定ジャパンレッド発祥の地-弁柄と銅の町・備中吹屋-」のストーリーに、ノスタルジックな1ページが加わった。

校舎内には、明治時代の懐かしい教室を再現したコーナーや、XR(クロスリアリティ)を使って日本遺産の魅力を体験できるコーナーなどが設置。

また、特殊メガネをかけると、3D映像などがメガネの視界の中に広がる。吉岡銅山跡の様子を再現したCG映像を360度見ることができるほか、仮想の鍵盤を弾くと百年オルガンの音色を奏でることもできる。

「ジャパンレッド」発祥の地|弁柄と銅の町・備中吹屋

標高約500mの高原上に忽然と出現する「赤い町並み」。令和2年6月19日に日本遺産の認定を受けた、かつて国内屈指の弁柄と銅生産で繁栄した鉱山町・吹屋である。

赤色顔料「弁柄」

吹屋で生産された赤色顔料の弁柄は全国に流通し、社寺などの建築や九谷焼・伊万里焼や輪島塗等、日本を代表する工芸品を鮮やかに彩り、日本のイメージカラーである「ジャパンレッド」を創出した。

赤く彩られた吹屋の町並み

富を得た当時の商人たちは赤い瓦と弁柄で彩色された格子で家々を飾った。今も残る町並みは、独特の景観を醸し出し、訪れる多くの人々を魅了している。

また周辺には、弁柄工場跡や銅山跡等も残り、「ジャパンレッド」を創出した往時の繁栄をしのばせている。    

古いけれど新しくて、どこか懐かしい。生まれ変わった旧吹屋小学校を訪れてみたい。

旧吹屋小学校
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋1290-1
開館日時:午前10時~午後4時(12月29日~1月3日を除く)
入館料:大人500円 ※XR体験料 1,000円
URL:https://fukiya-japan.red/fukiyaschool/

(suzuki)