「再エネ施設のデザインコンペ」日本開催に向けた取り組み、脱炭素まちづくりを目指す

過去5カ国10都市で開催してきたサステナブルデザインの国際イベント「Land Art Generator Initiative」(以下、LAGI)。カーボンニュートラルの実現を目指す「LAGI」の日本初開催に向けて、複数地域と協議が始まった。

■「再エネ施設のデザインコンペ」で目指せ!脱炭素まちづくり
プレイス・ブランディング企業のATTIQUE社は、世界の建築家やエンジニアが参加する“サステナブルデザイン”の国際イベントを企画・運営するLAGIと、日本における独占代理店契約を締結し、LAGI初の日本公式パートナーとなった。

社会全体でカーボンニュートラルの実現を目指す上で、再生可能エネルギー発電施設のデザイン・建設に、地域住民が参加することはきわめて重要。現状、地域社会や自然環境を無視した乱開発により調和が失われ、カーボンニュートラル実現への推進力が不十分だ。

「LAGI」は、発電施設を、地域住民や建築・エネルギー・アート分野の専門家と共創して、パブリックアート作品として提案する。その過程と成果を通じて、シビックプライドを高め、教育の機会をつくり、地域の住み心地や経済、文化の発展に貢献する。

「Solar Hourglass(1st Place Winner LAGI 2014 コペンハーゲン)」 Santiago Muros Cortés

そして、再生可能エネルギーの発電を通じて、あらゆる家庭に公平にクリーン電力を供給しながら、カーボンニュートラル社会への移行を加速させる。具体的には、エネルギー転換、コミュニティ醸成、そして文化資源の活用を図る企業・団体を支援し、最良の方法で、最大の効果を追求する。

米国ネバダ州では、LAGIと砂漠の祭典「バーニングマン」が提携したプロジェクト「LAGI 2020 Fly Ranch」が進行中。

「バーニングマン」とは、ネバダ州の砂漠に2週間だけ創造される“ブラックロック・シティ”に参加するために、世界中から8万人の人々が毎年集まる祭典。LAGIは、その母体組織が保有するオフグリッドな牧場跡地を舞台に、自給自足できるインフラ構築のアイデアを公募した。

現時点では、複数の受賞チームとプロトタイプを制作中。

受賞作品の1つ「Seed」のパース

■LAGI×ATTIQUEパートナーシップの概要
LAGIプログラムのプロモーション機能強化
LAGIの「建築デザインコンペティション」では世界的な建築家が審査員を務めるため、主催者や開催地は国際的な話題を獲得できる。その話題をイベント当日だけでなく、開催発表時から一貫して継続させるために、ATTIQUEが得意とする動画やデジタルメディアを用いたプロモーション施策をメニューに追加する。

発信機会を最大化させることで、地域ブランディングに貢献し、LAGI誘致の投資対効果を高める。

小中規模のイベントメニューの拡充
ATTIQUEが独自に企画・製作した展示モジュールを安価に提供することで、大々的なイベントを開催できない中小企業や自治体が、サステナブルな取組みの発信や知見交換の場をスモールスタートに開始できるようにする。

また、日本有数のSTEAM教育事業者と組み、LAGIの有するイベント知見を汎用化させた教育プログラムを展開する。

山と森林が多くの面積を占めることで太陽光発電に向かないと認識されている日本の国土も、サステナブルデザインを活用することで発想の転換が叶うかもしれない。「LAGI×ATTIQUE」のパートナーシップは、カーボンニュートラルの実現に向けて、大きな注目が集まりそうだ。

LAGI日本版サイト:https://japan.landartgenerator.org

(冨田格)