自炊の重要性を感じはじめた男性に贈りたい新刊書籍。世界文化社は、料理研究家の土井善晴氏と長女・光氏の初の共著『お味噌知る。』を発売した。
■「食事は一汁一菜で良い」
「食事は一汁一菜で良い」
土井善晴氏が2016年に提唱したこの考え方は、日々の忙しさのなか「きちんとした食事を作らなくてはいけない」とレシピと格闘していた人たちから大きな反響を呼んだ。
一汁一菜は健康に生きるための持続可能な食事だという土井氏。本書は、そんな一汁一菜の要となる土井家のとっておき味噌汁と味噌レシピを一挙公開する一冊だ。
おかずを兼ねた味噌汁を中心にして、主食に白米やパンを合わせるという一汁一菜スタイルは、食事の準備を手軽にするだけでなく、自分の食べるものを自分で作る“自立”にもつながる。
「何を作れば良いかわからない人、どうすれば自分の食生活を見直せるか分からない人はまず味噌汁を作ってみませんか」と呼びかけるのは土井先生の長女で、自身も料理研究家として活動する土井光氏。
■味噌汁を通じて料理の仕方を学ぶ
『お味噌知る。』では、いわゆる和食のルールから自由になれる、土井家の旬を楽しむ味噌汁や、家庭の冷蔵庫にあるものを使ったユニークな味噌汁、味噌料理などを紹介。肩肘を張らず、料理をしたことがない人でも、味噌汁を通じて料理の仕方を学べるようなつくりになっている。
提案するのは、水で具材を煮て味噌を溶くだけで完成するだし要らずの“基本形のお味噌汁”をはじめ、具材を油で炒めてから水を加える“油炒めのお味噌汁”、煮干しと水を火入れしたものに味噌を加えたベースの味噌汁に、別で火入れをした具材を組み合わせる“フレッシュなお味噌汁”の3種。
この3つの作り方を、暮らしの場面や具材に応じて使い分けることで、自立の食事ができあがる。
「自分で作って食べることがすべての始まり」
長年、食の世界に携わってきた土井氏は、料理には自分や家族を守る力、命を育む力があると語る。料理をすること、料理と家族との関係、身体の声を聞くこと、味噌汁から考えることなど、土井氏の、暮らしに寄り添うエッセイも掲載。
自炊、料理というと、つい肩に力が入ってしまうものだが、土井氏はもっと気軽に料理を実践することを教えてくれる。味噌汁を通じて、暮らしを整えるヒントが満載の一冊。料理を始めたいと考えている人には、最高のきっかけとなりそうだ。
『お味噌知る。』
定価:1,760円(税込)
発行:株式会社世界文化ブックス
https://www.amazon.co.jp/dp/4418213171
(冨田格)