東京モーターショーの主役「Mazda RX-VISION」・・・今後の展開はどうなるのか?

マツダが提案する未来のFRスポーツ「RX-VISION」の前には、常に何重もの人垣ができていた。現地へ足を運んだ方も、肉眼で捉えるまでにはかなりの労力が必要だったのではないだろうか。
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ロングノーズ&ショートデッキというスポーツカーの伝統に則りながら、マツダの「魂動」デザインが濃密に注入されたスタイリングは、実に妖艶かつエモーショナルだ。思わず視線が釘付けになった方も多いはずで、クルマに詳しくない方でも何か感じるものがあったはずだ。

あくまでもコンセプトカーのため、市販化までにはさらに洗練されていくはずだが、「魂動」デザインのひとつの集大成と言ってもいい。
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そして、その地を這うようなスタイリングを可能にしているのが、ボンネットの低い位置に搭載されている次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」だ。
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マツダは「コスモスポーツ(1967年)」で世界で初めてロータリーを実用化し、「RX-7」や「RX-8」といったスポーツモデルに継承。だが、年々厳しくなる環境基準に合わせることができず、現在ロータリーは生産されていない。しかし、マツダは水面下で研究・開発を継続していた。
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「SKYACTIV-R」はマツダの環境技術・スカイアクティブテクノロジーによって、ロータリーの弱点である燃費性能や低回転域のトルク不足を解消することが期待されるが、技術的にはかなりの困難が予想される。単なる進化版ではなく、何かしらの技術的ブレークスルーが必要になってくるだろう。
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とはいえ、ここまで期待させて市販化しなかったら罪かもしれない。マツダの思惑や描いているマイルストーンは不明だが、次回2017年の東京モーターショーでより具現化したコンセプトを、次々回2019年にほぼ市販版を公開……となれば嬉しいかぎりだ。

そして、東京オリンピックが開催される2020年に発売されれば、日本代表スポーツカーとして世界中の人々を魅了することだろう。

(zlatan)

写真:マツダ