自然が豊かな国、北欧のスウェーデン。そんなスウェーデンが、国全体を「Airbnb」のリストに掲載することを発表した。それはスウェーデンの憲法で「自然享受権」が保障されている事が、バックグラウンドにある。
「自然享受権」とは、スウェーデン語では「万民のもの」を意味する「Allemansrätten(アッレマンスレット)」と呼ばれ、文字どおりすべての人に対して与えられる権利。スウェーデンに住む人だけでなく旅行者も、土地や土地の所有者に損害を与えたり環境を破壊したりしない限り、地方のあらゆる土地に自由に立ち入ることができるというものだ。
国を丸ごとAirbnbのリストに掲載したことで、スウェーデンでは公有の土地はすべて誰でも自由に立ち入ることができ、正式な予約なしに滞在先が見つけられるのだ。
個人が所有する非公開の庭や作物が植えられている耕作地でない限りは、誰でも自然に立ち入り、散歩やサイクリング、キャンプなどをどこででも楽しめる。
もちろん権利には当然大きな義務も伴う。自然の中で過ごす際には、「傷つけたり、壊したりしない」ことが大原則で、これはあらゆるAirbnbのリスティング(お家)に対しても同じことである。
あらゆる湖がプールに、山の頂は頑丈な岩のテラスに、草原は庭に、森はキノコやベリーがぎっしり詰まった食料庫になる。
何の気兼ねもなく、朝のジョギングを楽しんだり、広々とした野原を自転車で走り抜けたり、険しい山でトレッキングに挑戦することも可能だ。もっとグレードアップした旅をしたくなっても、誰かに問い合わせる必要はない。気分に合わせて一番素敵な場所を、自分で見つけるだけ。
何にもとらわれず、自然の中で自由に旅をする。そんな無限の広がりを持つ自分だけの旅を、スウェーデンで楽しんでみてはいかがだろうか。
スウェーデン関連情報:http://airbnb.com/Sweden
(田原昌)