海岸で遊んだり、のんびりとデッキチェアに座って海を眺めたり。ニースと言えば、コートダジュールの美しい海岸を思い描くが、高台の方へ上がって遠くからその空気を吸うのもいい。
おすすめなのが、「Monastère de Cimiez(シミエ修道院)」だ。
1546年に建てられた、非常に厳格な修道院だと聞く。中は豪華と言うよりも重厚さを感じさせるほどだ。
小さな中庭は絵画のようで、実に美しい。
この修道院の見所は、右手に広がる庭園だ。忘れずに立ち寄って欲しい。
季節は初夏。美しいバラが咲き競っており、香りが素晴らしかった。様々な種類、色、そして牡丹ではないかと思う程の大輪のバラ。初夏に訪れた際は、是非立ち寄りたいニースの名所と言える。
また、アンリ・マティスやラウル・デュフィといった画家たちが眠る墓地もある。案内に従って探してみよう。
この庭園の端の方へ行くと、ニースの街の北側と海を望むことが出来る。海岸にいる時とは全く違ったニースの顔だ。
また海からと山からの風が非常に気持ち良く、人々はそこで思い思いに過ごしている。木陰に入って遠くを眺めていれば、何時間でも過ごせそうだ。
賑やかに鳴らされるクラクション。ドレスに身を包んだ人々。訪れた当日は非常に天気が良く、何組もの結婚式が執り行われ、人々の笑顔が明るく輝いていた。
旅の足を止め、ニースの人々と一緒に時間を過ごす。
バラに囲まれながら、しばしベンチに座ってのんびりするのも、贅沢というものであろう。
(田原昌)