デンマークの家具メーカー「フリッツ・ハンセン」が香川県の離島、本島(ほんじま)をジャック。
9月29日(木)から、古民家をリノベーションした「フリッツ・ハンセン庵」やゲストハウスなど、島内のさまざまなスポットを散策しながら島を回れる「フリッツ・ハンセン島(じま)」を開催中だ。
島全体で体感するフリッツ・ハンセンの世界
香川県丸亀市からフェリーで約30分の本島は、豊かな自然に恵まれ、漁師町や江戸時代の街並み保護区などがあり、瀬戸大橋を雄大に眺めることができる美しい島だが、高齢化が進み、スーパーやコンビニもない離島。
同イベントは、本島で平常営業する施設のすべてをフリッツ・ハンセンの世界観で設え、島に住む人々も島を訪れる人々も楽しめる企画だ。
本島の石を使った展示
「フリッツ・ハンセン庵」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている笠島というエリアにある江戸時代の古民家を、フリッツ・ハンセンのコレクションで演出し、日本の建築とデンマークの名作家具たちの融合が楽しめる。本島を訪れる人々の休憩所として、会期中は毎日オープン。
同施設は、今年創業150周年を迎えたフリッツ・ハンセンのアニバーサリーコレクションやエッグテーブルなど、復刻されたデザインをメインにスタイリングされた空間。家具だけでなく、本島の石とセブンチェアを合体させたインスタレーションも展示する。
本島は日本の建築を支えてきた石切り場でもあった島で、石の島として日本遺産認定されており、この土地の歴史や魅力を表現するため、今回の展示には本島の石がたくさん使われている。
また同施設内では、ニコライ・バーグマン氏によるフラワーアレンジメントと、本島に自生している植物のインスタレーションにより空間を演出。香りはMABOROSHIの茶香炉にて、豊かな“香り時間”も楽しめる。
島の情報発信の場
「本島スタンド」は、長く営業していた島で唯一の定食屋が、高齢を理由に閉店してしまった跡地を引き継いで、島の情報発信の場として営業を再開している施設。
店内ではフリッツ・ハンセンの家具、テラスではアウトドアコレクション、スカゲラックの家具が楽しめる。また、隣にあるフェリーの待合室にも家具を設えている。
一棟貸しゲストハウスが誕生
江戸時代の街並みを保護している笠島というエリアの古民家をリノベーションして、島内唯一の一棟貸しゲストハウス「Villa kasashima en.」が誕生。
同施設は島で唯一、オンライン対応を含めて平常営業する宿泊施設。室内では、フリッツ・ハンセンの家具・照明・アクセサリー小物を常設するが、会期中はオープンハウスとなる。
そのほか、本島の古民家をリノベーションして誕生するブリュワリーをフリッツ・ハンセンで設えたり、ビーチや道端、バス停などにフリッツ・ハンセンの椅子と本島の石や丸太を組み合わせたチェアが点在する。
本島の民謡をベースにした楽曲
サカナクションの山口一郎さん率いるNFの青山翔太郎さんが制作した、本島に伝わる民謡をベースにした楽曲がそれぞれの施設で楽しめる。
ほとんどの島民は島の民謡があることを知らず、今回の楽曲制作は、島から今にも消えてしまいそうだった民謡を、次の世代に継承することにもつながった。
フリッツ・ハンセンの世界観を、島の歴史や自然とともに体験してみよう。
フリッツ・ハンセン島
会期:開催中~11月6日(日)
会場:香川県丸亀市本島
フリッツ・ハンセン公式サイト:https://www.fritzhansen.com/ja/
(田原昌)