新しく誕生した酒蔵が、日本酒に新たな風を生み出そうとしている。
「新規参入の波が起きれば日本酒はもっと楽しくなる!」と、老舗酒蔵の社長が一念発起し独立、自然豊かな福島潟のほとりに四季醸造の小さな酒蔵「LAGOON BREWERY」を設立し、酒づくりを開始した。
日本酒への挑戦をする新しい酒蔵
2021年設立の新会社「LAGOON BREWERY(ラグーン・ブリュワリー)」は、日本酒およびその他の醸造酒の製造免許を新規に取得し、2021年12月から酒づくりを開始。
今回、事業資金を募ると同時に、新規で取得できる日本酒の製造免許には輸出用限定という制限があることを多くの人に知ってもらおうと、クラウドファンディングを開始した。
会社設立・酒蔵創業に至った背景
日本酒業界では、日本酒の製造免許を新規で取得することが法的な要件から実質的に不可能だったため、ながらく新規参入がほぼない状態が続いていた。しかし2021年4月、マーケットが拡大している”海外向け”であれば、日本酒製造免許を新規で取得できるような規制緩和があった。
当時、新潟市内にある老舗酒蔵の社長を務めていた田中洋介氏(現LAGOON BREWERY代表)は、これを機に日本酒業界における新規参入の流れを促進すべく老舗酒蔵の社長を退任・独立し、自らまったく新しい酒蔵を創業した。
LAGOON BREWERYがつくるSAKEと目的
LAGOON BREWERYはもちろん日本酒を製造する。ただ、上述の通り輸出用に限られるので、日本国内で販売することはできない。
しかし、「その他の醸造酒」という酒類の製造免許を同時に取得。この製造免許では、日本酒の祖先とも言うべき「どぶろく(にごり酒)」や、日本酒づくりの工程の中で原料や製法に創意工夫を凝らしたユニークで多様なお酒(SAKE)をつくることができ、国内でも販売が可能だ。
LAGOON BREWERYでは、日本酒をベースとした酒づくり、つまり<米麹を自らつくり><米や米麹を主な発酵原料とすること>を大前提として、国内向けには「その他の醸造酒」にカテゴライズされるSAKEを、海外向けにはそれに加えて日本酒を、それぞれ展開していく。
1年間の成長を見守る頒布会
クラウドファンディングのリターン(返礼品)は、創業して初めての酒づくりである仕込み第1号から、その後に続く仕込み12号までの計12本(種)が、1年間にわたって届くスペシャルな頒布会(サブスク)となっている。募集の実施期間は2月28日午後11:59まで。
この動きが、いつの日か、日本国内でも販売可能な日本酒製造免許が新規で取得できる日が来るきっかけになるかもしれない。
LAGOON BREWERY
所在地:新潟県新潟市北区前新田乙576−1
URL:https://www.lagoon-brewery.com
クラウドファンディングURL:https://camp-fire.jp/projects/view/543901
(田原昌)