都の守護と国の安泰を願い、平安遷都の際に京都の南に創建された「城南宮」。
城南宮の神苑-源氏物語営花の庭-は、5つのエリアで構成され、しだれ梅、椿、桜、藤、つつじ、青もみじ、秋の七草や紅葉など季節ごとの彩りに美しい景色を見せる。
殊に2月から3月にかけてはしだれ梅と椿が咲き誇る様子が素晴らしく、多くの参拝者で賑わう。
3月初旬に伺った日は好天に恵まれ神苑入り口には長い列ができていた。
神苑拝観料を納め椿の咲く道を進むと「春の山」のエリア。150本のピンクや紅・白のしだれ梅が枝から花びらが湧きだすように咲き誇り見事な眺め。
散った花びらは柔らかな光を受け、人々の目を楽しませている。
「春の山」から本殿の裏を通って「平安の庭」へと移動する通路からは、大木になった椿から深紅の花がぽとりと苔の上に落ちている美しい絵画のようなシーンが窺える。
4月・11月に行われる「曲水の宴」が行われる「平安の庭」は、中の島を配した池が日本庭園のしっとりとした雰囲気を作り出している。
その後、もとの参道へ出て、庭続きの入り口「東入り口」から「桃山の庭」、「室町の庭」、「城南離宮の庭」の散策へと向かう。
「桃山の庭」にある茶席「楽水館」で季節の花をかたどるお菓子とお抹茶をいただいた(料金別途)。
それぞれ趣の異なる庭園をゆっくりと巡り、早春の季節を存分に楽しませてもらった。
最寄り駅は京都市営地下鉄または近鉄線「竹田駅」。駅から徒歩15分ほどの距離があるが、道中にも安楽寿院、鳥羽天皇陵、北向山不動院、近衛天皇陵、白川天皇陵などが点在するので散策しながらの移動も楽しい。
今年の「しだれ梅と椿まつり」は2月18日から3月22日に開催される。
所在地:京都市伏見区中島鳥羽離宮町7番地
(小椚萌香)