「台湾」というと必ず出てくる名所が2ヶ所ある。ひとつが『千と千尋の神隠し』で有名になった「九份」と、もうひとつが「蓮池潭(リエンチータン)」である。
九份は台北の近くにあり、蓮池潭は南の都市・高雄にある公園だ。「蓮池潭」と言われてもピンとこないかもしれないが、「大きな龍と虎が並んでいる」と言えば分かる人も多いだろう。
高雄市内でも北の方、「左營(営)」駅の近くに蓮池潭という大きな湖があり、その池を利用して様々な建物が建っている。
噂の「龍虎」の塔は駅からは湖を挟んで反対側にあるので、周りを散歩しながらゆっくり向かうことにした。
途中、台湾最大の孔子廟「高雄孔廟」があり、また道教の神様「北極玄天上帝」を祀った「北極亭」がある。日本ではなかなか見られない道教寺院なので、お邪魔してみた。
「北極玄天上帝」というのは北を守る神様であり、水の神様でもある。そのため、高雄の中心部に対して北に位置するこの蓮池潭が最適だったのだろう。
「七星剣」を持ち、足元に配下である蛇と亀を踏みつけている巨大な像は、高さがなんと22mとの事だった。
次に見えたのが「春秋閣」。「龍がいる、ここだ!」と思ったら、小さめの龍に観音様が乗っているだけで虎がいない。早とちりしないように。
この龍も口から入ってぐるりと巡って外に出られるので、時間に余裕のある人は是非。入場料を取られるわけでもなく、また湖にまっすぐに伸びた「五里亭」の姿になかなか趣がある。
その隣にあるのが最終目的地の「龍虎塔」。湖を半分以上回ってやっと辿り着いた。
暑さで水位が下がっており、「蓮池潭」らしい蓮の花が地上に姿を現していたが、思っていた以上に見応えのある姿だ。
龍と虎がそれぞれ口を開け、待っている。
ジグザグになっている石の橋を通り、まずは龍口へ。内部の両壁には陶器を使って描かれた「地獄絵図」が続く。閻魔大王が裁判をしている。
そうして龍のお腹をアップダウンしていきながら、お尻(?)から出ると、目の前に屋根の黄色も鮮やかな二本の塔が建っていた。せっかくなので登り、全体像を捉えることにした。
眺めはなかなかいい。暑さを和らげるような風が通って気持ちよかった。
さて、お次は隣にいる虎のお尻(?)から入って同じように腹の中を通っていく。
今度は中国の神話や道教で登場する神々が陶器で作られて並んでいる。立体的なので、なかなか素敵だ。
最後は虎口から出て終了!開いた口から牙が見えて、なかなかリアルな出口。
これで罪が浄化されて、福が増えたはず!
ここは台湾を代表するパワースポットであり、観光客が絶えない。
近くにまで行くバスに乗るのもよし、湖の景色を楽しみながらぐるりと巡るのもよし。高雄のパワースポットで幸運を手に入れよう!
(田原昌)