美しい日本の伝統工芸品を日々の生活の中へ。芦屋鋳物師がつくる錫製の酒器「天地の詞」の受注を開始

日本らしさを感じる伝統工芸品が人気を集める昨今。平成になって蘇った「芦屋釜」もその一つだ。

幻の名器と称される「芦屋釜」を新たな展開で、美しい日本の伝統を日々の中へ送り出すため、芦屋鋳物師がつくる錫製酒器「天地の詞(あめつちのことば)」の受注を開始した。

失われていた福岡県芦屋町の伝統文化「芦屋釜」を復活

茶の湯釜の名品として知られる「芦屋釜」は、端正な形と独特の形状や伝統的な製法からできる美しさに歴史的価値が認められている。

国の重要文化財の茶の湯釜は9点あるが、そのうち8点を「芦屋釜」が占めるほど、珍重されている伝統工芸品だ。

「芦屋釜」は南北朝時代に起源を持ちながら、江戸時代に姿を消してしまったため、幻の名品と呼ばれてきた。しかし、平成になり、福岡県遠賀郡芦屋町の芦屋釜復興事業で、学術的研究に基づいた製作法により現代に蘇った。

鋳物師・樋口陽介氏の手により伝統を日常の中へ

芦屋釜復興事業の養成員として16年間の修業を終え、独立した鋳物師・樋口陽介氏。同氏は日本の伝統文化を多くの人に届けるため、「伝統を身近に」「日常を彩る」をテーマに芦屋釜づくりで培った薄造りの鋳物技術を生かした「芦屋鋳物 陽」を立ち上げた。

そして、樋口氏の手により、日本の伝統と技術が息づく錫製酒器が誕生したのだ。

芦屋釜の職人としてのこだわりが生み出す酒器としての優れた特徴

「芦屋鋳物 陽」の錫製酒器の最大の特徴は、芦屋釜と同じく薄く軽いこと。また。細やかな工夫を施し、使う側を意識したデザインに仕上げる。

内側は鋳物砂の肌合を残すことにより、スパークリング日本酒やハイボールなどの泡がきめ細かく滑らかとなる。そして、口に触れる部分を磨き上げ、口当たりを良くする。

程よいサイズ感は、実用的な機能美を兼ね備える。洗練された見た目の美しさは、芦屋釜づくりの意識が投影された職人技の成せる業だ。

日本酒・ワインなど様々な酒の世界をさらに深化させる鋳物酒器

錫製酒器は、日本の伝統的な酒器の一つ。錫には酒の雑味を取り除き、まろやかな口当たりにする効果があり、古来酒器として用いられてきた。

熱伝導率がとても高く、冷酒を注ぐと瞬く間に冷える。湯煎にかけて温めたり、氷で冷やしたりすることもできる。また耐久性にも優れ、割れにくく、色が変わりにくいため長い期間の使用が可能。

こうした特徴から、日本酒・ワイン・焼酎・ハイボールなど様々な酒の味を引き立てる酒器として最適だ。

天地の詞という銘に込めた想い

錫製酒器のデザインは、福岡県芦屋町に広がる空と海との境界線、悠久の重なりを伝える芦屋層群の2つの景色をイメージした、2つ1組の酒器となる。

手に取ると、そうした美しい情景が浮かび、豊かな想いが広がるよう、銘を「天地の詞」としたという。

同酒器は11月11日(土)から、芦屋釜の里で電話による受注を開始した。電話番号は公式サイトから確認のこと。また、桐箱仕様は先着50セットのみの限定デザインとなる。

職人の手で一つひとつ丁寧につくられる「天地の詞」は、日常の中で上質な時間をともに過ごすためのアイテムとして、普段使いはもとより、大切な人への贈答品としても最適だろう。

天地の詞
価格:27,500円(税込)※2つ1セットの価格
芦屋釜の里公式サイト:https://www.town.ashiya.lg.jp/site/ashiyagama/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000128124.html

(高野晃彰)