『西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方』で真のアートを知ろう

「彫刻」には多くの歴史的な芸術作品がある一方、絵画と比べると一般人へのなじみはやや薄い傾向がある。

そんな中、翔泳社が、教養として「アート」を学びたいビジネスパーソンや彫刻・美術に関心を持つ人に向けて、「彫刻の見方」を解説する入門書を出版した。

アートと言えば絵画ばかり。「彫刻スルー」はもったいない!

著者である堀越啓氏は、「みんな、なぜ絵画にばかり注目して、彫刻を見ないのだろうか」という疑問を持ち続けてきた。多くのアート初心者に「彫刻は難しいから」と敬遠される場面を度々目にしてきたからだ。

一方で、美術館に行けば、屋外スペースを中心に彫刻が来館者を出迎えてくれる。また、美術館内や常設展にはさまざまな彫刻が展示されており、アートの歴史において彫刻は、多くの巨匠によって挑戦されてきた、欠かすことのできない重要な表現手法のひとつだ。

近年では、地方創生の流れとあいまって「芸術祭」が各地で行われるようになり、野外に設置される彫刻作品の割合が多くなってきている。著者に言わせれば、もはや「彫刻をスルーするということは、美術の半分を無視している」ことにあたるわけだ。

このような問題意識から、本著では、そんな「彫刻をスルーしてきた人々」に対して「彫刻を見ないともったいない!」と訴える。彫刻について知り、理解ができれば、美術館やアートを倍楽しめる。そんな思いから書かれた、彫刻鑑賞の入門書だ。

多くの人が楽しめる「彫刻」鑑賞法を開発した堀越氏

堀越啓氏は、上智大学経済学部を卒業後、東証一部上場の大手メーカーに就職。長い間、美術とは縁遠いサラリーマンだったが、父は彫刻を扱う仕事をし、彫刻家と交流を持っていた。名前の「啓」も彫刻家・佐藤忠良氏に命名されたものだ。

堀越啓氏

堀越氏がサラリーマンとして働く中で、大きな転機となる出来事が相次いで起こったのが、2011年頃のこと。東日本大震災や、父の会社の倒産だ。これらの出来事がきっかけとなり、勤め先を退職。父と共に再起を図るため、アートコンサルティング会社を立ち上げた。

堀越氏は美術について正規の教育を受けたわけではない。しかし新たな環境で仕事をする中で、「美術をどのように見たら良いか」をまとめ体系化した方法「立体的美術鑑賞法」を開発。

この鑑賞法のセミナーをアート初心者に向けて実施しつつ、多くの人に知ってもらおうと初の著書『論理的美術鑑賞』(翔泳社)を2020年に刊行。同著は台湾や韓国、中国でも翻訳出版され、国内外の多くの人の手に渡った。鑑賞のためのポイントについては、本著の第3章「彫刻作品を鑑賞するコツ 彫刻は理解するのが難しい?」でも伝えている。

彫刻家・佐藤忠良氏の個展が仙台で開催

著者との関連イベントとして、5月5日(祝・木)~10日(火)、仙台の藤崎百貨店本店6階の美術ギャラリーでは「彫刻家・佐藤忠良」展を開催している。会期中は堀越氏が毎日在廊。新書を手に取り、本を読んだ感想や想いを著者に伝えてみては。

西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方
価格:2,200円(税込)
出版社:翔泳社
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798172934

(IKKI)