ニースの風景と言えば、輝く海に沿って広がる海岸線、建ち並ぶ高級ホテル、そしてヤシ並木。アメリカ西海岸のような、またイタリアのような陽気な風景が我々の心を躍らせる。
コート・ダジュールの美しい海岸線に沿って伸びるのが、「Promenade des Anglais(プロムナード・デ・ザングレ)」という散歩道。約3.5kmの道に対して、高級ホテルやレストラン、カジノが建ち並び、まさにニースを代表する風景だ。
フランスの中でも温暖な地中海性気候であるニースには、その暖かさを求めて多くの人々が集まってくる。パリでは10℃の寒さでも、ニースでは20℃を超えていた。天気が良い日が多いというのも、魅力の一つだろう。
穏やかな地中海に飛び込んで泳いだり、海岸近くに寝転がったり。また散歩道のあちこちに設置されているデッキチェアやベンチで日光浴しながら、のんびり本を読んで過ごす人々をよく見かけた。
面白いことに、ニースの海岸は砂浜ではなく玉砂利が続いている。そのため、寝転がっても衣服や身体に付着してこないのでとてもいい。
適当な場所を見つけて座り、明るくて青々と広がる地中海を眺めていれば、ついつい何時間も過ごしてしまいそうだ。
この海岸線に対して斜めに伸びている2本の大通りがあり、それに挟まれるようにして大きな公園がいくつも並んでいる。
新しく整備されたもので、広々とした噴水で遊ぶ子供達の姿を見ていると、こちらまで楽しくなってくる。ここはまさに市民と観光客の憩いの場だ。
やがて市電通りにぶつかるが、ここがニースで一番有名な広場「Place Masséna(マセナ広場)」である。
ギリシャ神話に登場する神の彫刻が施された大きな噴水、そして周りにはデパートや様々なブランドの店が並ぶ。夜にはライトアップされ、また違った雰囲気が楽しめる。
クリスマス付近にはここでクリスマスマーケットが開催され、賑わうのだそうだ。
華やかな噴水や彫刻、人々に愛される公園、そして青く広がる地中海。
そんな街全体を彩る美しさと明るさ、賑やかさ。それがニースを魅力的な街にする要素ではないだろうか。
(田原昌)