フォーブスが4月6日、恒例の「日本長者番付」を発表した。
今年は、昨年2位だったソフトバンクグループ社長の孫正義が首位を奪取。名前が挙がった富豪の4分の3近くが昨年から保有資産を増やした。中でも好調だったのが、通信、テクノロジー、ゲームの3業界だった。
上位50人の全リストは、forbesjapan.com特設サイトと雑誌「Forbes JAPAN」7月号(5月25日発売)に掲載される。
日本長者番付2017の上位10人は以下の通り(金額は保有資産額)。
1) 孫 正義 204億ドル(約2兆2640億円)
2) 柳井 正 164億ドル(約1兆8200億円)
3) 佐治信忠 132億ドル(約1兆4650億円)
4) 滝崎武光 125億ドル(約1兆3880億円)
5) 三木谷浩史 61億ドル(約6770億円)
6) 高原慶一朗 45億ドル(約5000億円)
7) 森 章 44億ドル(約4880億円)
8) 毒島邦雄 42億ドル(約4660億円)
9) 伊藤雅俊 37億ドル(約4110億円)
10) 三木正浩 36億5000万ドル(約4050億円)
2016年の日本経済は低調な回復傾向にとどまったが、株式市場は活況をみせ、日経平均株価は2017年3月末までの1年間で13%上昇し、富豪たちの資産増加につながった。
今年の番付では、昨年2位だったソフトバンクグループ社長の孫正義が資産総額を204億ドル(約2兆2640億円)に増やし、首位に躍り出た。
孫は昨年12月、米大統領選で勝利したドナルド・トランプと会談し、ソフトバンク株はこれを受け急騰。孫の昨年からの資産増加額は番付内で最高の55億ドル(約6110億円)となった。
昨年トップだったファーストリテイリング会長兼社長の柳井正は、保有資産額を昨年の163億ドルから164億ドル(約1兆8200億円)へとわずかに増やしたものの、首位防衛には至らなかった。ユニクロの親会社であるファーストリテイリングは、米国での業績不振を受けてアジア地域での事業拡大に力を入れ、2020年までに売上高3兆円を目指している。
3位を維持したのは、サントリーホールディングス会長の佐治信忠。資産総額は132億ドル(約1兆4650億円)と、昨年の117億ドルから上昇した。
この推定資産額には家族が保有するサントリー株も含まれている。
コナミホールディングスの創業者で会長の上月景正(34位、資産11億8000万ドル)は、同社株の急騰により、2014年以来3年ぶりにビリオネア(保有資産10億ドル以上の富豪)の仲間入りを果たした。コナミはサッカーや野球、トレーディングカード「遊戯王」のモバイルゲームが成功を収め、株価は1年で64%上昇した。
日本電産の創業者で会長兼社長の永守重信(12位、資産35億ドル)もまた、同社株の30%近い上昇により、資産額を昨年から8億ドル増やす躍進をみせた。
ハードディスクドライブ(HDD)用モーターを製造する同社は、M&A(合併・買収)などを通じ、2021年までに売り上げをほぼ倍の2兆円に増やす計画を発表している。
人材派遣大手テンプホールディングスの創業者、篠原欣子は、同社株の30%上昇により日本初の“たたき上げ女性ビリオネア”となり、資産11億ドルで37位に入った。
今年唯一の新顔となったのが、襟川洋一、恵子夫妻(40位、資産10億4000万ドル)だ。夫妻が創業したゲーム開発会社コーエーテクモホールディングスの株価は、収益拡大に伴い1年で22%上昇した。
今年の番付から姿を消した面々としては、クックパッド創業者の佐野陽光やプロミス創業者の神内良一がいる。
取締役会の内紛が起きたクックパッドの株価は、ここ1年で50%近く下落。一方の神内は、プロミス経営で得た数百億円規模の私財を、北海道で設立した農業生産法人「神内ファーム21」に投じてきた。
今回の長者番付での最低資産額は7億ドルで、昨年の7億5000万ドルから減少した。
ランキングは本人から入手した情報に加え、証券取引所やアナリスト、民間データベース、政府機関から得た情報などを基に作成した。それぞれの資産額は、2017年3月24日時点の株価と為替レート(1ドル=111円)に基づいている。非公開会社の価値は、類似の公開会社と財務比率などを比較して算出した。
上位50人についての詳細は、下記「日本長者番付」特設ページで閲覧が可能。
http://forbesjapan.com/feat/japanrich/