髙島屋大阪店にて「堀俊郎作陶展」開催。薬師寺・東塔の基壇の土を使用した茶碗に注目

人間国宝・加藤孝造さんに師事し、長年に渡って作陶技術を学んだ堀俊郎さん。自らも古希を迎え、その技は真骨頂に達している。

7月10日(水)から7月15日(月)までの期間、髙島屋大阪店6階の美術画廊にて作陶展を開催する。奈良・薬師寺の国宝・東塔基壇の土を用いた志野焼(しのやき)などを展示する。

薬師寺 国宝・東塔基壇の土を使用した志野茶盌

薬師寺 国宝・東塔基壇の土を使用した志野茶盌

可児市無形文化財「志野」に認定された堀俊郎さん

兵庫県神戸市で生まれた堀俊郎さんは、大学在学中に人間国宝である加藤孝造さんに出会い、40年以上に渡って師事した。

堀俊郎さん

堀俊郎さん

2005年から美濃焼の一種である「志野焼」を発表し、さまざまな公募展で入賞や入選を果たしてきた。2018年には可児市無形文化財「志野」保持者に認定されている。

「現代日本の陶磁器展」海外巡回展への出品のほか、岐阜県現代陶芸美術館や多治見市美濃焼ミュージアムに作品が収蔵される。

近年では美濃桃山陶食器ブランド「泥々(でいでい)」の技術指導にも関わり、次世代への伝統技術の継承にも注力する。同ブランドは美濃桃山陶の普及と、先人の知恵の継承を目的とした新進ブランドだ。

穴窯での焼成風景

穴窯での焼成風景

いま堀俊郎さんは新しい取り組みとして、法相宗大本山 薬師寺とコラボレーション。薬師寺の国宝・東塔の解体修理時に採取された土を使用して志野焼の茶碗を制作した。

ほかに薪窯で黄瀬戸焼の花入を焼成。今回の展示会では桃山時代から続く伝統的な手法で作られた約40点の作品を展示・販売する。

薬師寺 国宝・東塔基壇の土を使用した黄瀬戸茶盌

薬師寺 国宝・東塔基壇の土を使用した黄瀬戸茶盌

東塔や基壇土についてのギャラリートークも開催

関連イベントとして、7月13日(土)14:30からはギャラリートークも開催。薬師寺管主の加藤朝胤さん、京都大学人文科学研究所の石垣明貴杞さん、そして堀俊郎さんの3名が登壇する。

薬師寺の東塔や、それを支えた基壇土の重要性や特徴、作陶の背景について語り合う。立場の異なる三者の視点から、国宝の土を用いて作品を生み出すというユニークな試みの意義を深く理解できるだろう。

展示、ギャラリートークともに予約不要で、誰でも無料で参加することができる。優れた技術や芸術性はもちろん、歴史的な意義のある堀俊郎さんの作品を存分に堪能したい。

堀俊郎作陶展
会期:7月10日(水)~7月15日(月)10:00~20:00
会場:髙島屋大阪店6階 美術画廊
所在地:大阪府大阪市中央区難波5丁目1番5号
入場:無料、予約不要

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000143121.html

(SAYA)