松本広域連合は、2人のプロ写真家が撮りおろした信州・松本地域をモチーフとする作品展を、1月31日(火)より新宿北村写真機店にて開催する。
ルールは「信州・松本地域で撮ること」のみ。2人の写真家は、何を撮り何を残すのか、それぞれ異なるアプローチを楽しみながら、地域の魅力を感じてみよう。
渡部さとる氏と市橋織江氏
同展では、渡部さとる氏と市橋織江氏の作品を展示する。
多数の美術館に作品が収蔵されている渡部氏
渡部氏は、日刊スポーツ新聞社を経てフリーランスとして、雑誌・広告の分野でポートレートを中心に活動してきた。2006年より“ギャラリー冬青”にて作家活動を本格的に開始し、作品は国内外の多数の美術館に収蔵されている。
また、『旅するカメラ』(エイ出版)や『じゃない写真』(梓出版・2020)など、多くの写真集、書籍を出版。信州で生きる17歳のポートレートと彼らの短い言葉を収めた写真集『da・da』は、“地域プロモーションアワード2022”を受賞した。
広告・CM・映画などで活躍する市橋氏
市橋氏は、広告写真、グラフィック、エディトリアルなど多分野で撮影を手がける写真家。TVCMなどシネマトグラファーとしても活動し、映画『ホノカアボーイ』やドラマ『雨の日』などで撮影監督を務めた。
また、『TOWN』『Gift』など多くの写真集の出版や写真展を通じて作品発表をおこなっている。
作品を入れ替えて2つの写真展を開催
同展は、1月31日(火)~2月26日(日)の会期中、前後半で展示の入れ替えをおこない、2つの写真展を展開する。なお、入場は無料だ。
1.渡部氏の写真展「da.da in monochrome」
同展の前半は、1月31日(火)~2月12日(日)10:00~21:00の期間で、渡部氏の写真展「da.da in monochrome」を開催する。
ここでは、今回新たに制作されたインクジェットによるモノクロプリント23点を展示予定。モノクロプリントの本格的な展示は同氏初となり、同氏の真骨頂ともいえる“光と影”の表現をプロジェクトの集大成として展示する。
また、会場では写真集『da・da』(カラー/B5判/64P/フリーマガジン)を数量限定で配布するようだ。ちなみに、話し言葉の語尾に「だ」がつき、ときに「そうだだ」のように「だ」を繰り返して使う同地域の方言が「da・da」の由来だという。
2.市橋氏の写真展「サマーアフターサマー」
後半は、2月14日(火)~26日(日)10:00~21:00の期間で、市橋氏の写真展「サマーアフターサマー」を開催する。
ここでは、自身の手焼きによるオリジナルプリントの原画40点に加え、外山夏緒氏がアートワークで参加して制作した大型作品4点を展示。また、林響太朗氏ディレクションのスペシャルムービーを大サイズで投影*で、作品世界への没入感を高める。
夏の信州に4カ月通い詰め、「何か、気配のようなもの連れ帰った」という市橋氏が、才能あふれるクリエイターたちとのコラボレーションでひらく新境地を見逃す手はない。
同展は、市橋氏の約5年ぶりとなる作品集『サマーアフターサマー』刊行記念でもあり、会場では、同作品集を本体価格2,000円(税抜)にて特別先行販売する。ちなみに、同作品集の挿絵とデザインを手がけたのは外山氏だ。
作家出演のトークショーも開催
同展会場内では、2月4日(土)に渡部氏の、18日(土)に市橋氏のトークショーを開催。
渡部氏のトークショーには、スタジオジブリの石井朋彦氏がゲスト出演する。また、当日限定で渡部氏の新刊『da.gasita(2023 ver.)』を販売するという。市橋氏のトークショーには、渡部氏がゲスト出演する。
開場18:30、開演19:00となり、当日の写真展ギャラリーは18:00で閉鎖。トークショー観覧には、新宿北村写真機店HPからの事前申し込みが必要で、各日先着順で定員は14名だ。なお、トークショーの様子は動画収録され、渡部氏のYouTubeチャンネル「2BChannel」で後日公開されるとのこと。
“写真家×自治体”という異色の写真展、前後半を見比べて、異なる角度から地域の魅力を見つめてみるのもいいだろう。
松本広域連合主催 写真展
会場:新宿北村写真機店 6F SpaceLucida
所在地:東京都新宿区新宿3-26-14
会期:1月31日(火)~2月12日(日)/2月14日(火)~26日(日)
新宿北村写真機店公式サイト:https://www.kitamuracamera.jp/ja
「da.da in monochrome」特設サイト:https://matsu-toco.com/dada/
「サマーアフターサマー」特設サイト:https://spsum.matsu-toco.com/
(Higuchi)
*スペシャルムービーの上映は予定
※感染症流行拡大、その他天災などにより、展示・イベントは中止となる場合がある