「大須ういろ」は、昔ながらの定番商品、棹タイプの「ういろ」の新商品を11月26日(土)から販売する。
新商品は、一切れずつに「切れている棹ういろ」。包丁を使わずに、きれいに皿に盛り付けることができる。
さらに、定番商品だからこそ、「もっときれいに」「もっと美味しく」「もっと安全安心に」をテーマに、製造方法・原材料の見直しを図り、直営店・オンラインショップにて販売を始める。
5切れのキューブからなる新しい「棹ういろ」
「大須ういろ」は、昔から尾張地方で愛されてきた「ういろう」を「ういろ」と改め、大須観音の門前にて商いを行う、名古屋のういろ専門店。
棹タイプの「ういろ」の魅力は、米粉の蒸し菓子ならではのもっちりとした食感。それが、長年にわたり銘菓として愛され続ける理由だ。
一方で、この弾力が角まできれいに切るのが難しいことの一因で、家庭で切り分ける際に包丁に引っ付くことがあり、きれいな四角い断面になりづらい。
こうした声を聞いた「大須ういろ」では、「おもてなしの席にも重宝する、美しくお皿に並べられるお菓子にしたい」と考え、試作を繰り返したうえで完成したのが、一切れずつに「切れている棹ういろ」だ。
佇まいは従来同様に棹状の1本だが、5切れのキューブ状のういろに分かれている。一切れずつに切れているので、包丁を使うことなく、そのまま皿に盛り付けることが可能になった。
製法・原材料の進化とパッケージのリニューアル
「大須ういろ」が、リニューアルを行ったのは「ういろ」の形状だけでなく、製法を機械づくりから、昔ながらの手づくりに変更したこともあげられる。
職人の手によって直接「生蒸気」を当てて蒸し、手作業でフィルムを巻いてからパックに詰めて真空包装と殺菌をする。従来品よりも手間がかかり時間を要すが、それでも同社では、今でき得るベストな「ういろ」をつくりたいと考えたという。
同時に原材料の見直しも図った。「ういろ」に小豆の漉し餡を練り込んで蒸し上げた「ないろ」も、米粉のみを使ったグルテンフリーに変更し、今までよりむっちりとした食感に。また「黒ういろ」は、カラメル色素を、「桜ういろ」は、香料不使用に改めた。
また、パッケージのリニューアルも実施。商品名の文字は、書家の国分佳代さんの手によるものに変更。箱の文様は、従来のデザインを踏襲しつつ、透明なニスを用いて、光の当たる角度・明るさによって、文様が浮き出たりマットな質感に見える表現を施した。
さらにフードロス対策の第一歩として、2本入・3本入の詰め合わせ箱の紙は、生産工程で出る「ういろ」の廃棄物から製作する。
「大須ういろ」は、今後もより良いものを追求し、製造する商品を一つひとつ見直していくという。その根本にあるのは「原点回帰」。商品の特性に合わせ、手づくり製法へシフトすることにより、伝統菓子「ういろ」の再価値化を掲げる。
「ういろ」「ないろ」は、白ういろ・桜ういろ・抹茶ういろ・黒ういろ・ないろの5種類。1本250gで、864円(税込)となる。
江戸時代から親しまれる伝統の和菓子「ういろ」。職人の真心と技が凝縮する「大須ういろ」の商品を味わい、その魅力を再発見してみてはいかがだろう。
大須ういろ本店
所在地:愛知県名古屋市中区大須2-18-42
公式オンラインショップ:https://shop.osuuiro.co.jp/
(高野晃彰)