コロナ禍にも負けず海外で活躍する日本の若きアスリートの勇姿は、元気を与えてくれる。
■ニュージーランドで闘う姫野和樹
ゴルフの松山英樹、フィギアスケートの羽生結弦、野球のダルビッシュ有。海外で活躍する日本人選手の奮闘ぶりが連日のように伝えられている。
その鍛え上げられた逞しい腕で繰り出す「ジャッカル」は一躍有名になった2019年ラグビーW杯の代表選手の姫野和樹もその一人。
4月12日に発表された2021年度の日本代表候補に選出された姫野和樹は、現在はニュージーランドの「ハイランダーズ」に所属して「スーパーラグビー アオテアロア」でFL/No.8として活躍している。
スーパーラグビーは、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの4カ国のプロチームが闘うリーグだ。今年はコロナ禍のため、ニュージランドでは国内チームのみで特別大会「スーパーラグビー アオテアロア」としてリーグを再開している。
■姫野和樹に直撃インタビュー
WOWOWは、「スーパーラグビー アオテアロア」を毎節放送、配信中。
世界最高峰レベルにあるニュージーランドのラグビーのスピードや強度をつぶさに堪能できると同時に、選手たちの優れた創造性や現地ファンの熱い応援などが大きな見どころとなっている。
WOWOWが行った、姫野和樹へのインタビューを抜粋して紹介しよう。
※インタビューは姫野がアオテアロアデビューを飾った3月26日ハリケーンズ戦の翌週に実施。
──アオテアロアでのデビュー戦となったハリケーンズ戦のパフォーマンスの自己評価は
「自分に合格点をあげられる内容でした。コーチ陣からも『よかったよ』と言われたのですが、満足することなく次のステップに向けて集中して臨みたいと思っています」
──「自分らしいプレーができた」とコメントしたが、自分の強みは?
「やはりボールキャリーとワークレート(仕事量)、ブレイクダウンでの強さといった部分だと思います」
──デビュー戦としてはボールタッチも多い印象だったが
「そうですね。ナギー(共同キャプテンのSHアーロン・スミスの愛称。ニュージーランド代表)はアイコンタクトで『ヒメ、行くよ』『ヒメ、すぐ来い!』という感じで合図をしてくれて、何度もボールを渡してくれました。試合前の時点でナギーから『ボールをどんどんもらいに来い!』と言われていたので、評価してくれているのだと思います」
──試合ができない1年近くの間、体作りに専念できたそうだが
「はい。体重も少し増えましたし、増えたからといって体が重く走れなくなった、という感覚もありません。自分の体の感触も含め、すごくいいトレーニングができていると思います。あとはゲームフィーリング(試合勘)を取り戻し、さらにパフォーマンスを上げていきたいです。自分がいい経験をするためだけではなく、ハイランダーズを勝たせるためにニュージーランドに来ました。ですからチームが勝たなければ意味がないと考えています」
──リーダーシップの面でも学ぶことが多いのでは?
「そうですね。ナギーもアッシュ・ディクソン(アーロン・スミスとともに共同キャプテンを務めるHO)も素晴らしいリーダーシップを持っています。日本ではなかなか見られないほど主体的に発言する様には驚きましたが、そのような部分も吸収しながら自分らしいリーダーシップを形成していければと考えています」
4月16日に放送されたブルーズ戦では初トライを決めた姫野。ハイランダーズの次の試合は、4月30日(金)「対ハリケーンズ戦」がWOWOWライブで放送。
スーパーラグビーを経験したことで姫野和樹がどこまで進化していくのか。これからも目が離せない。
WOWOWラグビー:https://www.wowow.co.jp/sports/rugby/
※WOWOWでは「スーパーラグビーオーストラリア」も放送中
(冨田格)