緯度的には北海道よりも北に位置する、チェコの首都プラハ。
とはいえ豪雪地帯ではないので、旅行の際はさほど雪に用心した装備でなくても大丈夫だろう。
プラハでのイースターはまもなく始まる。観光をメインに考えているので他のヨーロッパ諸国よりも開催期間が長く、3月の中旬から4月の約1ヶ月間開催されている。
昨年はたまたまその時期に、雪が降ってしまった。
雪のプラハもなかなかオツなもの。吹雪いているわけではないので、路面電車に乗ってプラハ城を目指す。
14世紀には現在の姿になったという「Pražský Hrad(プラハ城)」。その中心に建つ「聖ヴィート大聖堂」の、ゴシック様式に特徴的な重厚感ある姿が雪景色で余計に重々しい。まさに、「中世ヨーロッパ」の雰囲気だ。
プラハ城を抜けると、目の前に市街地が一望できる。「百塔の街」と称されるプラハの、可愛らしいオレンジ色の屋根が薄く雪をかぶって美しい。
右手にはペトジーン公園の展望台、手前には聖ミクラーシュ教会が見え、前方に流れるのはスメタナの曲で有名なヴルタヴァ川(モルダウ)であり、カレル橋が架かっている。こんな素晴らしい景色を眺めながら、市街地へと降りていこう。
カレル橋のたもとに立つカレル4世が、心なしか寒そうだ。
自分の身体も冷えてきたら、イースターの出店でホットチョコレートやホットワインを飲むのもいいが、PivniceかPivovar(ビアレストラン、居酒屋)で温かいチェコ料理と美味しいビールで暖まろう!
寒い季節にオススメなのが、ガーリックをふんだんに使ったスープ。パンやクネドリーキ(茹でたり蒸して作られたチェコのパン)と一緒にいただこう。
熱々のチーズフライもたまらない。
寒い季節だからこそ味わえる、身の引き締まる重厚な雰囲気と美しい雪景色。温かい料理でほっと一息つけるのも、この時期だけの嬉しさだ。
イースターの賑わいとともに、まもなくやってくる春の雰囲気を楽しみたい。
(田原昌)