1年間で100本しか作ることのできない能登の保存食「しら井の巻鰤」熟成した寒ブリの旨みと脂は絶品!

産直グルメEコマース「うまいもんドットコム」では、昨年12月より石川・能登の伝統的な保存食、巻鰤(まきぶり)の販売を開始した。

1年間で100本しか作ることのできない貴重な「しら井の巻鰤」は、かつて途絶えた製法を再現しており、熟成した寒ブリの旨みと脂は、唯一無二の味だ。残りわずかなので、興味があれば早めにチェックしたい。

現代では海の生ハムとも呼ばれる「巻鰤」

古来より石川・能登で食されてきた「巻鰤」は、冬の時期の脂ののった寒ブリを夏に食べられるように工夫した保存食。京都や加賀へ献上されるほどの珍味だった。

巻鰤は天然の寒ブリを約半年間熟成させた発酵食品で、海の生ハムとも呼ばれている。熟成することで旨みが強くしっとりとして、ブリの脂の甘さを感じる。塩味があるので、日本酒は欠かせない。

途絶えた製法を約10年かけて再現

この巻鰤を作っている「しら井」は創業90余年、昆布や海産物を主に扱っている。

同店の白井洋子さんは、石川の食文化「巻鰤」が伝統製法で作られていないことに疑問を持ったという。そこで、「伝統的な製法を残したい」という思いから過去の文献や人伝いに作り方を調べ、約10年かけてほぼ昔のままの作り方を再現。

当初は縄の巻き方がわからず干してる間に崩れてしまったり、干し加減がわからずカビが生えてしまったり、新潟村上の塩引き鮭を参考にしようと現地に学びに行くなど、試行錯誤を繰り返したという。

11キロ超えのブリを使用

同商品に使われているブリは、極寒の日本海で大敷網で水揚げした天然の寒ブリ。サイズにもこだわっており、成長するのに5年はかかる11キロ超えの脂乗りの良いブリを使っている。産卵期前なので脂乗りもさることながら、身も引きしまった上質の身質だ。

塩は地元から近い、能登の海水を使って作られたもの。ミネラル分を多く含み、塩辛さのあとにすっきりとした後味が特徴。たっぷりと使用し、脂乗りのブリを熟成させた。

さらに、熟成のために使う荒縄は天日干しの稲わらを使うので、わらの香りが広がる。

酒肴にもぴったりの伝統的な保存食

同商品は塩漬けしているため塩味もあるが、半年かけて熟成した巻鰤は旨みがとても強い。ブリの脂、熟成した旨み、能登の塩が奥深い味を作り上げている。

塩分濃度は約8%。酒肴として、またお茶漬けにしていただくのもおすすめ。皮を剥ぎ、生ハムのように薄くスライスした後、軽く炙ってわさびをたっぷりと添えて楽しむのもオツだ。

価格は送料別で29,800円(税込)。伝統の製法で蘇った味を、お酒と共に味わいたい。

公式サイト:https://www.umai-mon.com/user/collection/1965

(田原昌)