作品総数約240件が集結!京・大坂画壇展「京都国立近代美術館」にて開催

江戸時代から続く日本画家の文化人ネットワークに思いを馳せて。

京都国立近代美術館は3月23日(水)から5月8日(日)まで 「サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇」を開催する。

国宝・重要文化財等を含む約240件の作品が集結

本展では、江戸時代から近代にかけて、京都と大坂で活躍した画家の代表的な作品を紹介するとともに、その交流によって形成された文化サロンにも焦点を当て、当時の文化交流の様相を紐解いていく。

さまざまな専門分野の研究者と共同で行ってきた研究を基盤としたものであり、国際的な視野に立って京・大坂の美術を通覧する初めての大規模な展観となる。

京・大坂画壇を扱う最大規模の展覧会

本展のみどころは、国宝・重要文化財等を含む約240件の作品が集結する、最大規模の展覧会。江戸時代から昭和時代に至る大坂画壇の代表作を中心に、京坂に集った文化人たちが描いた秀作が一堂に集結する空前絶後の展示となる。

国宝 与謝蕪村《夜色楼台図》江戸時代 3月23日~4月3日展示

大英博物館所蔵の名品約20件が特別出品

そして、大英博物館所蔵の貴重な作品が里帰り。円山応挙の名品からこれまで日本ではほとんど披露されなかった大坂画壇の優品まで、厳選された20件の作品を紹介。展覧会は三章構成で展開される。

第一章 京の大家と弟子たちー継承か断絶か?

江戸時代の京では、与謝蕪村や池大雅、長沢芦雪など数多くの画家が活躍した。特に円山応挙の流れは上村松園へと受け継がれるほど長く続いた。大坂にも円山・四条派の門下がいたが、彼らは独自の絵画世界を展開した。

上村松園《楚蓮香之図》1924年頃

第二章 京坂のサロン文化ー越境するネットワーク

木村蒹葭堂や売茶翁を中心に、京坂では身分を問わない文化的なネットワークが形成された。その伝統は明治時代以降へと引き継がれた。

伊藤若冲・賛:売茶翁《売茶翁像》賛:1757年

第三章 町人たちのアートワールドー大坂画壇の可能性

これまでその全容が紹介されることのなかった大坂画壇。本展では江戸時代から昭和時代までの代表作を一堂に会する初めての機会となる。

重要美術品 岡田米山人《秋山蕭寺図》1807年

また、17名の研究者によるエッセイと約200名に及ぶ人物の略年譜を収録した図録を発売。出品作品の図版に加え、系譜図や相関図などを収録した読み応えのある一冊は、京都国立近代美術館1Fミュージアムショップにて購入が可能。

史上最大規模の展示会を楽しめるのはこの期間だけ。日本画の礎となるアート作品は必見だ。

サロン!雅と俗-京の大家と知られざる大坂画壇
会期:前期3月23日(水)~4月17日(日)、後期4月19日(火)~5月8日(日)
観覧料:一般1,200円
HP:https://www.momak.go.jp/

(hachi)