明治神宮宝物殿で歴史と現代が融合したアートに触れる芸術祝祭

明治神宮宝物殿で開催中の注目の展覧会を紹介しよう。

seccaの新作「A↔︎UN」

■重要文化財で開催の芸術と文化の祭典

2020年に創建100年を迎えた明治神宮。

次の100年へと歩みを進めるべく、昨年より明治神宮の鎮守の杜を舞台に、芸術と文化の祭典「神宮の杜芸術祝祭」を開催している。

テーマは、「祭る。祈る。創る。」。

神宮の杜を舞台とすることで、日本における「自然」と「文化・芸術」のつながりを再認識し、日本の美意識の再発見を目指している。

国の重要文化財に指定されている明治神宮宝物殿を会場とした「気韻生動」がいよいよ開幕した。

「気韻生動」とは、芸術作品に気高い風格や気品、また、生き生きとした生命感が溢れていることを意味している。

この言葉は岡倉天心が画家に対して求めた境地とされる一方、それは努力で到達できるものではなく、芸術家が生まれながらに持っているもの、とも言われている。

■「木」を題材に独自の視点で制作した立体作品

日本を代表するアーティストの「彫刻作品」が明治神宮宝物殿に集結する「気韻生動」。

石川県金沢市の「secca」はこの展覧会に参加し、新作を発表する。

「secca」はこれまでのものづくりにおける常識や既成概念を疑い、伝統技法や受け継がれた思想を独自に解釈し、最先端のデジタルテクノロジーを掛け合わせながら再編集する行為で作品を作り出すクリエイター集団。

今回は、明治神宮の杜のシンボルとも言える「木」を題材に独自の視点で制作した新たな立体作品を出展する。

狛犬をモチーフとした立体が、およそ15,000ピースのパーツを立体パズルのように組み上げられて作られている

使用されている素材は木を模して作られた人工の擬木

歴史ある建造物内に展示される、歴史と今の技術をミックスして作り出された芸術作品。これは興味深い展覧会になりそうだ。

神宮の杜芸術祝祭 彫刻展「気韻生動−平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち」

会場:明治神宮 宝物殿(中倉)
会期:3月25日(木)〜 5月30日(日)
時間:10:00~16:30
入場:無料
公式サイト:https://jingu-artfest.jp/

【参加アーティスト】
平櫛田中、澄川喜一、深井隆、舟越桂、土屋公雄、宮島達男、三沢厚彦、棚田康司、須田悦弘、保井智貴、名和晃平、土屋仁応、secca、小林正人(絵画)、原良介(絵画)

(冨田格)