東京に住んでいる者でも複雑で分かりにくい公共交通機関。そんな世界一複雑とも言われる公共交通網を持つ東京は、2020年のオリンピック開催を控え、公共交通データのオープンデータ化が期待されている。
「東京公共交通オープンデータチャレンジ」は、東京の公共交通データのオープンデータ化の足がかりとして、JR東日本、東京メトロ、東京都交通局をはじめ、計22社局の鉄道、バス、航空事業者のデータが公開される、日本ではかつてない規模の公共交通分野のオープンデータコンテストとなった。
約100件のアプリケーション、アイデアの応募の中から、オギクボ開発株式会社の「HEAVY 4D TOKYO」が準最優秀賞に選ばれた。
東京の鉄道・バスの動作および駅の構内図を余すところ無く可視化し、世界中に一斉配信する基盤システムを構築したことにより、その高度な技術力と表現力が高く評価されたものである。
従来の交通情報は駅・バス停の所在や路線図、時刻表等の情報が個別にまとめられていただけで、そこから必要な情報だけを抽出し、現実世界で起こりうる事象を想定する仕事は個々の利用者に委ねられていた。
これらの情報を有機的に結びつけ、現実世界に忠実な動作を再現できれば、より短時間に的確な情報伝達が可能になると考えた結果が、今回開発した3次元空間表示による「動く交通情報」だ。
まるでドローンで撮影されたかのような俯瞰構図の臨場感は、静的な平面地図では到底味わえないもの。画面に映し出される乗り物の動きは時刻表に秒単位で合わせてあり、その意味では「動く時刻表」とも言える。
実用性と趣味性を兼備した「HEAVY 4D TOKYO」は、国内外問わず、日常生活により大きな楽しみと可能性を提供できるだろう。5月31日まで無償公開されているので、是非試してみて欲しい。
「HEAVY 4D TOKYO」
http://tokyochallenge.4dmaps.net/
東京公共交通オープンデータチャレンジ
https://tokyochallenge.odpt.org/award/index.html
(田原昌)