【動画】310馬力を生み出す究極の「タイプRエンジン」はこうして作られる

次期ホンダ・シビック タイプRが登場予定だ。

2リッターVTECターボエンジンは310馬力を発揮し、ニュルブルクリンク北コースのFFでのコースレコードを更新、最高速度は270km/hに達するという。

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VTECとは

VTECとはホンダ独自の可変バルブタイミング&リフト機構である。低速用カムと高速用カムを切り替えることで、低回転でのトルクを犠牲にすることなく、高回転でレーシングエンジンのような伸びやかな加速と高いレブリミットによる高出力を可能とした。

最初のVTEC技術採用エンジンは1.6リッターのB16型、リッター当たり100馬力を達成し160馬力を発揮、DBインテグラ、その後EF CR-X、シビックに搭載し、その後拡大されていくこととなる。

 

Type Rの歴史

1990年代、オールアルミボディを採用したホンダ初のハイパフォーマンスカー、初代NSXが登場して世界に衝撃をあたえた。並みいるライバルたちがターボや大排気量を使う中、3.0リッターのNAエンジン C30A型にVTECを搭載、自主規制最高の280馬力を発揮したのである。

NSXはハイパフォーマンスではあったが、当時800万円を超える価格帯であったことから、同時にラグジュアリーカーとしての側面を持っていた。そのため内装も重い電動シートを装備したりと過剰に豪華で走りに妥協した面もあった。

これをヨシとせず、本来のオールアルミボディ・ミッドシップスポーツカーのNSXの能力を解き放ったモデルが Type Rである。

Type Rはレーシングカーの基本である軽量であることを最大限を押し進め、快適装備であるエアコンを撤廃、軽量フルバケットシートを採用するなど100kg近い軽量化を実現。その結果カミソリのような鋭い切れ味の走行フィールを達成した。これが最初のType R、NSX Type Rの登場である。

その後 NSX, NSX Type Rを主導したミスターNSXこと上原繁氏はインテグラ Type Rの開発に着手。NSXのような選ばれた人だけが買えるスーパーカーではなく、インテグラという手を伸ばせば誰でも手に入る大衆車で、カミソリのような乗り味を味わえる万人のための Type Rを世に送り出した。