【動画】310馬力を生み出す究極の「タイプRエンジン」はこうして作られる

ホンダが製造工程を動画で公開

Type Rとして最も究極かつ高性能なエンジンはどのように作られているのだろうか。その片鱗を動画で見ることができる。

Type Rの拡大

この Type Rコンセプトはさらにシビックにも受け継がれ、シビック Type Rが発売されることとなる。当初インテグラは1,800ccのB18C型、シビックは1,600ccのB16B型エンジンであったが、その後シビック、インテグラはモデルチェンジを経て同じ2,000ccエンジン、K20A型となった。

ホンダにおける「Type R」の称号は特別な意味を持つ。フロントに装着されるのは通常のHマークではなく、赤く染まる赤バッジであり、色は単なるホワイトではなく、ホンダがはじめてF1に参戦した時のF1カーと同じ色、少しクリーム色がかかったチャンピオンシップホワイトが採用され、特別な存在であることをアピールする。

同じく上原繁氏が開発したS2000はリッターあたり125馬力を発揮するF20C型エンジンを搭載するものの、Type Rは用意されなかった。

これはオープンカーであることからサーキット走行を専用とするものではない、など理由は定かではないが、いずれにしても赤バッジも、チャンピオンシップホワイトも用意されなかったのである。そのかわりに大型ウィングやカナードを装備するスポーツモデル Type Sが用意された。

 

最新型シビックタイプRの登場

これまで VTEC、Type Rでは自然吸気、高回転・高出力化という点で一貫していたが、今回登場するシビックタイプRは、Type R史上初のターボエンジン搭載となる。

VTEC TURBOはホンダの推進する EARTH DREAM TECHNOLOGYのひとつであり、環境性能や燃費性能、高出力化といった現代のエンジンに対する要件を整理した結果の集大成である。その結果最大出力は300馬力をオーバー、ニュルブルクリンク北コースのFFラップレコードをメガーヌR.S. TROPHYから奪うまでに至った。

Honda | Technology | EARTH DREAMS TECHNOLOGY

これまで一貫して自然吸気だったVTECエンジンではあるが過給器がついたからといって、これまでの VTEC、Type Rコンセプトは違えていない。一貫しているのは高出力化技術であり、運転する楽しみ、レーシング、ということだ。その片鱗はこのビデオからも伺えることだろう。

今から登場が楽しみであるが最大の関心事は価格だ……万人のための Type Rになっているのか、日本仕様の発表が待たれる。

 

野間 恒毅

*Dong liu / Shutterstock.com