ラジコンの速度を表す言葉に、スケールスピードというものがある。例えば1/10サイズのラジコンが10km/hで動くならフルサイズ換算で100km/hになるというものだ。言葉のマジックとはいえ、1/10サイズのラジコンはエントリーモデルでも30km/hくらいは軽く叩き出し、そのスピードは十分に速く見える。
しかし。ラジコン界の中には、スケールスピードではなく本当の「時速」で勝負をしかけている人たちもいる。
Nic Case氏もその一人。一見してラジコンには見えないかもしれないが、空気抵抗を極限まで減らし、ダウンフォースを強めることを命題とされたであろうボディ内部にはモーターとタイヤが備わり、弾丸のように大気を切り裂いていく。数年来にわたってのチャレンジをここで見てみよう。
2008年時の記録は161.71mph。時速でいうと、約259km/h。
2013年時の記録は171mph(約276km/h)。
そして2014年3月には188mph(約302km/h)に達し、
7月には196mph(約315km/h)という記録を叩き出すに至る。見比べるとその差は歴然。数値以上に、目にも止まらない速度域に達していることがわかる。
しかし、彼の目標はまだ先にある。ラジコンで200マイル、すなわち321km/hものスピードを目指しているとのこと。大台を超える、自らが持つ世界最高記録を塗り替えるのはいつの日か。