世界屈指のラジウム含有量を誇る三朝(みささ)温泉。三徳川の両岸に温泉旅館が立ち並び温泉情緒たっぷり。
三朝橋のたもとの河原に続く階段を下りると開放的な露天風呂「河原の湯」がある。
脱衣場もあるにはあるが、しっかり隠れるような造りではないので明るいうちに女性が入浴するのは難しい。ここでは併設の足湯に浸かることに。
「河原の湯」から温泉本通りを歩いて数分、薬師堂の角を曲がれば「旬彩の宿 いわゆ」に到着。
本館は大正ロマンあふれるレトロな空間が広がる。ロビーから廊下まで畳敷きの設え。
ロビーには季節の飾りつけが施され旅人を迎える。
部屋は全9室。それぞれに趣のある落ち着く和室。
大浴場は露天風呂こそないが、自家源泉直結のかけ流しの温泉が滔々と注がれる岩風呂。
婦人風呂は地下オンドルのような構造で脱衣所付近では少々の臭気を感じるが、浴場に入ってしまうとしっとりとした湯気に包まれて心地よい。
高温の源泉直結のため、湯船の温度は熱めであるが新鮮で効能は抜群。よく温まる温泉で入浴後しばらくは汗がじんわりと吹き出てくる。
涼みがてら温泉街を散策し宿に戻れば愉しみな夕食の時間。
食事はゆったりと部屋でいただける。
失礼ながらリーズナブルな宿泊料からは思いもよらない料理に驚愕した。
期待していなかったということも多少はあるにせよ、若手料理長のこだわりの料理は繊細で美しく手が込みとてもおいしい。
伝統的な和会席でありながら新風を感じさせる演出にワクワクさせられる。
サラダにフルーツがふんだんに仕込まれているのもフレンチ料理のようで斬新。
蔵をリニューアルしたショットバーがある。ジャズが流れノスタルジーただようバーに湯上りや食後にちょっと寄って身を置いてみたい。
美しくおいしい料理と温かいおもてなしが心に残る宿であった。
住所:鳥取県東伯郡三朝町三朝942
電話:0120-43-0124
公式サイト:http://www.iwayu.jp/
(小椚萌香)