熊本県は、同県出身の漫画家・尾田栄一郎氏が描く人気漫画「ONE PIECE」と連携。「ONE PIECE」と人形浄瑠璃「清和文楽」がコラボレーションした「超馴鹿船出冬桜(ちょっぱあふなでのふゆざくら)」の定期公演を開始する。
その初演は、3月30日(土)・3月31日(日)。チケットは、インターネットおよび清和文楽館窓口にて販売中だ。
清和文楽×ワンピースのコラボ作品が定期公演を開始
人形浄瑠璃・清和文楽の起源は、今を遡ること約170年前、江戸時代末期という。現熊本県山都町清和地区の清和村を訪れた淡路の人形座から、地元の農家が習い覚えたのが始まりだ。
その後、盛衰を繰り返しながらも、農村芸能として受け継がれてきたが、太夫・三味線が途絶え、時代の変遷もあり公演機会が減少した。
しかし、1979年に熊本県重要無形文化財に指定されたのを機に、文楽の里づくりで清和文楽の再生を果たした。1992年には、九州唯一の人形浄瑠璃専用劇場として、清和文楽館が完成している。
そうした動きもあり、1994年には太夫・三味線が復活し、年間180回程度の公演を行っている。
現在、太夫・三味線2名と人形遣い11名で、清和文楽館での定期公演・予約公演の他、九州・関西・関東などの国内、アイルランド・イタリア・ギリシャ・韓国などの海外でも公演を実施。
また、2021年には、疫病を鎮めるとされる妖怪アマビエを題材にした新作人形浄瑠璃・熊本県立劇場プロデュースの「肥後アマビエ戀歌異聞(こいうたいぶん)」を発表したことでも知られる。
そんな清和文楽は、一昨年11月に熊本県立劇場で上演し、好評だった「ONE PIECE」とコラボレーションした特別公演を、清和文楽館の会場規模に合わせて新たにリメイク。「超馴鹿船出冬桜(ちょっぱあふなでのふゆざくら)」として定期公演を始める。
今回の公演の意味は、日本を代表する人気漫画と伝統芸能のコラボで、同文楽の認知度を高め、新しいファン層を開拓すること。熊本地震からの復興プロジェクトの一環として活動すること。さらに、県重要無形文化財である「清和文楽」の新たな魅力を引き出し、担い手の確保および後継者育成などにつなげていくことにあるという。
「超馴鹿船出冬桜」の脚本・演出は、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で脚本を担当する、劇作家・演出家で劇団扉座を主宰する横内謙介氏。
そして、音楽は、様々なミュージシャンとの共演を積極的に行う、尺八演奏家の藤原道山氏が担当する。
いま多くの農村芸能が衰退し、その存続が危ぶまれている。「超馴鹿船出冬桜」の定期公演は、文化的な価値が高い農村芸能を多くの人が支えていくことの必要性を訴求する機会になるだろう。
清和文楽 超馴鹿船出冬桜(ちょっぱあふなでのふゆざくら)
開催日:3月30日(土)・3月31日(日)
開演時間:13時30分
開催場所:清和文楽館
所在地:熊本県上益城郡山都町大平152
料金:3,500円(税込)
チケット購入サイト: https://t.livepocket.jp/p/lkowm?eid=271383
清和文楽館公式サイト:https://seiwabunraku.com/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000098840.html
(高野晃彰)