コロナ禍は、自分の住環境と向き合うきっかけを与えた。
■2021年を代表する魅力的な「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」
「リノベーション協議会」は、2021年を代表する魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2021」の授賞式および選考委員による講評会を12月に東京大学本郷キャンパス内にて開催した。
このコンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に「500万円未満部門」「1000万円未満部門」「1000万円以上部門」「無差別級部門」の4部門を設けている。
全国からエントリーされた228作品を、リノベーションの楽しさ・魅力・可能性という点にフォーカスしてSNSを活用した一般ユーザーの声を取り入れ一次審査をし、62作品をノミネート選出。
その後、住宅系を中心としたメディアの編集者9名で構成する選考委員によって最終選考を実施し、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞4点、特別賞14点を決定した。
■総合グランプリと部門別最優秀作品
総合グランプリ
『災害を災凱へ (タムタムデザイン+ASTER)』
<500万円未満部門>最優秀作品賞
『商店街の昔ながらの家』(ニューユニークス)
<1000万円未満部門>最優秀作品賞
『リノベはつづくよどこまでも』(ブルースタジオ)
<1000万円以上部門>最優秀作品賞
『都市型戸建てを再構成する。』(アートアンドクラフト)
<無差別級部門>最優秀作品賞
『BOIL_通信発信基地局から、地域参加型の文化発信基地局へ』(リノベる)
■選考委員長の講評より(一部抜粋)
島原万丈氏(LIFULL HOME’S総研所長)
今年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーを総括すれば、やはりコロナ禍へのリアクションが大きなテーマとなったことは間違いない。
多くの場合、リノベーションプランの与件となったのはテレワークの浸透である。また同時に、大都市圏の家選びにおける通勤利便性至上主義に修正を加えた。
通勤利便性至上主義の修正は都心の引力を弱め、物件選びの選択肢を拡大する。
そこから始まる住生活のニューノーマルとは、“非標準的”な多様性に開かれた可能性のこと。それはリノベーションの得意とするところだ。
同選考委員長によると、別の角度から述べれば、ニューノーマルの核心は、自宅および自宅周辺で過ごす時間の増加にあり、在宅時間の増加によって温熱性能やエネルギーコストに対する意識が高まっているのは間違いないという。
今、まさに在宅時間が増えたニューノーマル時代を迎えている私たちの生活。より快適に暮らせる住環境を追求していきたい。
受賞作品:https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html
リノベーション協議会:http://www.renovation.or.jp/
(冨田格)