コート・ド・プロヴァンスなど、フランス・プロヴァンス地方のロゼワインにおいて2020年ヴィンテージ情報が発表されているので紹介しよう。
プロヴァンスワイン委員会は、2020年のヴィンテージ情報を次のように発表した。
2020年、プロヴァンスのぶどう畑では、ぶどう樹の生育が早く始まった。異例の天候により開花も早く、暑さと乾燥もあいまって果実はよく生育し、収穫は8月半ばから良い条件のもとで行われ、一部の区画では10月まで続く通常よりも長いものとなった。
3月と春の天候の違いから、収穫量にはばらつきが見られ、ヴァール県では霜と低温により、特にグルナッシュの収穫量に前年を下回るほどの低下がみられた。しかし、天候被害を免れたエリアでは、実が大きく、果汁も豊富なぶどうが多く収穫された。
■2020年ヴィンテージのカギとなる数字
■2020ヴィンテージのプロヴァンスのロゼの特徴
・「AOP コート・ド・プロヴァンス」花のような香りと黄色い果実のニュアンス
外観は、 淡い~とても淡い色で、輝きがあり、澄んでいる。香りには、フレッシュな花(バラ)、黄色い果実(メロン、モモ)や赤い果実(イチゴ、キイチゴ、チェリー)の要素に加え、柑橘類の果皮やトロピカルフルーツ、タチアオイのニュアンスも感じられる。
味わいは滑らかで円みのある印象。テロワールによっては多少の酸味が際立って感じられることで、バランスが取れている。豊かなコクと、酸味が少し際立つ爽やかさの間でバランスが取れており、この爽やかさが果実味豊かな後味を引き立てることも。
・「AOP コトー・デクス・アン・プロヴァンス」サーモンピンクの外観
外観は輝きがあり、生き生きとしていて淡く、サーモンや桃、ライチの色をしており、クリアなピンク色の光沢もある。香りには、花や酸味のある赤い果実のニュアンスに続いて、黄色や白の果肉の果実や柑橘類の強いアロマが感じられ、甘いスパイスや香辛料のわずかなアクセントが時にアロマを引き立てる。
味わいは豊満で、酸味に支えられている。複雑で果実味豊かなAOP コトー・デクス・アン・プロヴァンスのロゼは、酸味とボリューム感で構成されており、のどの渇きがいやされ口当たりの良い仕上がり。
・「AOP コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンス」複雑で表情豊かな香り
外観はきれいな淡いピンク色で、サーモンピンクからとても明るいピンク色までの広がりがある。香りは複雑で表情豊か。花のようなニュアンスと、柑橘類、トロピカルフルーツ、夏の太陽を浴びた果実、フレッシュな赤い果実など、様々な果実の香りが感じられる。
味わいはエレガントかつ豊満で、アロマも豊か。円みと爽やかさのバランスがよく、持続性がある。
■プロヴァンスワイン とは
プロヴァンスワインのぶどう畑は、地中海とアルプス山脈の間に位置し、ブーシュ=デュ=ローヌ、ヴァール、アルプ=マリティムの3県におよぶ約200kmにわたって広がり、コート・ド・プロヴァンス、コトー・デクス・アン・プロヴァンス、コトー・ヴァロワ・アン・プロヴァンスの3つのAOPがある。2020年には、プロヴァンスといえばのロゼ(91%)、赤(5%)、白(4%)あわせて約1億6600万本を生み出している。
ロゼで有名なプロヴァンスの、2020年ヴィンテージを楽しもう。
(田原昌)