シアトル系からサードウェーブへと、進化増殖を続けるカフェ文化。その大波にのみこまれ消えつつあるのが、昭和から続く喫茶店文化だ。
カフェとは違う独特な落ち着きを求めて、喫茶店を愛する人たちに贈るムックの第二弾が登場した。
■古き良き喫茶店が持つ唯一無二の空気
ぴあは、昨年2020年3月に発売して大好評だった『喫茶店の本 首都圏版』に続く第2弾として、『喫茶店の本 横浜・鎌倉・湘南』を発売した。
全国どこの店でも同じ雰囲気、同じ味、同じサービスが味わえることがチェーン展開するカフェの魅力だとするなら、喫茶店は真逆の魅力がある。
昭和から続く古き良き喫茶店の魅力は、その店でしか味わえない唯一無二の空気だ。マスターが淹れてくれる珈琲の香り、懐かしいメニュー、ハイカラなスイーツ。そのすべてが素敵な時間を演出してくれる。
ひとくちに喫茶店といってもそのタイプはさまざま。
珈琲にとことんこだわる喫茶店、スイーツのおいしい喫茶店、眺めの良い喫茶店、隠れ家的な雰囲気のある地下の喫茶店など、それぞれの個性的な雰囲気を味わってみたくなる一冊だ。
■さまざまな切り口で喫茶店の魅力に迫る
『喫茶店の本 横浜・鎌倉・湘南』は、横浜・鎌倉・湘南エリアのクラシックでレトロな雰囲気の喫茶店を、さまざまな切り口から紹介していく。
例えば、長い歳月をかけて育まれてきた、そこにしかない美しい空間が魅力の“クラシック喫茶店”。家族で経営するアットホームな純喫茶。ゴージャスなシャンデリアが煌めく喫茶店、ステンドグラスの光に癒される喫茶店、地下の隠れ家でレトロな気分に浸れる喫茶店など、その店ならではの空間に焦点をあてたもの。
他にも、鎌倉と珈琲に焦点を絞ったり、湘南で電車が見えるトレインビューな店を集めたり、看板猫に会える喫茶店や、ミュージアムの寛ぎカフェ、喫茶店スイーツの代表格「プリン」が自慢の店、音楽にこだわる空間、懐かしい味がクセになるクリームソーダに焦点をあてたりと、さまざまな角度から喫茶店の魅力に迫っていく。
春から初夏にかけての気持ちいい季節、このムックを片手に、横浜・湘南・鎌倉エリアの喫茶店巡りをする、そんな休日も楽しそうだ。
喫茶店の本 横浜・鎌倉・湘南
発行:ぴあ株式会社
定価:1,080円(本体982円+税)
『喫茶店の本 横浜・鎌倉・湘南』サイト:https://www.piabooks.com/kissatennohonyokohama
(冨田格)