オン&オフラインで10ヶ月かけて日本酒造りを体験する「旅」のプログラム

コロナ禍は、旅行業界に大きなダメージを与えている。

しかしそんな苦境の中でも、新たな発想の興味深い取り組みは始まっている。

■「テーラーメイド」な体験プログラム

コロナ禍によって、なによりも大きく変わったのは「旅」に対する考え方だろう。

コロナ以前なら、異国情緒を楽しめるうえに予算的にも得だから、と海外旅行を楽しむ人が多かった。ところがwithコロナの今、海外に旅行にいくことは現実的ではなくなった。

日本人旅行者の関心が国内に向かったことは、昨年のGo To トラベルの盛況ぶりを見ても分かるだろう。インバウンド客がほぼ皆無となった日本国内の旅行関係者にとっても、もちろんプラスになっていることは間違いない。

そんな国内旅行への関心をさらに高めそうな企画が始まった。

日本を旅する旅行者にユニークな体験プログラムを「テーラーメイド」で提供する、京都の旅行会社「みたて」は、日本酒を通した新しい旅のカタチを実現する、体験型会員制サービス「朔(さく)」の募集を2021年2月よりスタートさせた。

■10カ月かけて完成する五感の風土エクスペリエンス

「陰暦における月の第1日目=新月」を表す漢字で、「ついたち」とも読み、ここから満月に向けて月が満ちていくことから、ものごとの始まりを意味する「朔(さく)」と名付けられた、この旅の企画。

旅を感じる体験と共に日本の良さを知る「新しい旅のスタイル」を確立出来ないかと考えたことから、この企画はスタートした。

オンライン、オフラインを組み合わせ、10カ月かけて完成する五感の風土エクスペリエンス「朔」のテーマは日本酒だ。

五穀豊穣を願う地域色のある神楽などの神事や芸能で振る舞われ、その地の土で作られる酒器でいただく、そこにある料理等々、日本酒を軸にすると、様々なことを紐解くことが可能となる。

田植え前の祈祷から始まる日本酒造りは10ヶ月もの時間を費やす。その時間を日本酒に深く結びついた10のモノやコトを、その地ゆかりの話し手によるオンライン講座で紐解き、春と秋に日本酒が手元に届く。

田植え、稲刈り、酒造訪問、会員交流会などのオフライン体験を交えて、日本酒造りを体感し、今まで知り得なかった歴史や知識を学ぶ。

日本酒は、播磨・加西市の純米蔵として名高い「富久錦」が醸造する

先着200名限定の申し込みは既にスタートしている。オンライン会議ツールを使ってコミュニケーションできる20歳以上ならば、参加可能だ。

withコロナで在宅時間が長い今だからこそ可能な「旅」体験と言えるだろう。

公式サイト:https://new-moon.club/

(冨田格)