秋も深まり、読書の季節。
河出書房新社が発行する季刊文芸誌「文藝」は、話題沸騰必至のラインナップで冬季号を本日10月7日に発売する。
■史上最多の応募総数2360作、第57回文藝賞発表
新人賞である第57回文藝賞は史上最多の応募総数2360篇の中から選出された受賞作・藤原無雨(ふじわら・むう)「水と礫(れき)」、優秀作・新胡桃(あらた・くるみ)「星に帰れよ」の全文を一挙掲載。磯崎憲一郎・島本理生・穂村弘・村田沙耶香の各選考委員の選評および、受賞者との対談も読んでみたい。
■デビュー作でいきなり芥川賞受賞! 『おらおらでひとりいぐも』の若竹千佐子第2作目
デビュー作にして文藝賞と芥川賞をダブル受賞、60万部超のベストセラーであり、映画化(11月6日公開)も控えている超話題作『おらおらでひとりいぐも』。その作者・若竹千佐子の第2作目が3年の時を経て遂に発表。タイトルは「かっかどるどるどぅ」。新たな語りの可能性を拓く女たちの物語だ。
■特集は「いま、日本文学は」
いま「日本文学」に何が起きているのか? デビュー20周年を迎えた柴崎友香と、初中編『ぬいぐるみとしゃべる人がやさしい』が話題の大前粟生による対談他、90年代生まれ作家26人アンケート、日本文学を翻訳・編集して海外に届ける翻訳者・編集者17人アンケートなどが登場。
■芥川賞&文藝賞受賞作家×キーパーソンたちとの対談
文藝賞と芥川賞を受賞した、旬の2人の作家とそれぞれのキーパーソンによる対談を掲載。1本目は蒼井優×若竹千佐子。11月6日に映画公開される『おらおらでひとりいぐも』で主人公・桃子さんの若き日を演じた蒼井優とその原作者・若竹千佐子による対談も興味深い。
「変わりゆく日本の妻」は、昭和から現代に至る女性像の変化を縦横に語られる。そのほかデビューから33年を迎え今なお唯一無二の音楽性で第一線を走りつづけるバンドBUCK-TICKのフロントマン・櫻井敦司と、デビューから1年足らず、初ノミネートにして芥川賞を受賞したばかりの遠野遥による初の親子対談。異ジャンル創作者として互いの表現に迫る。
文芸誌ジャンルの新たな扉を開く「文藝」、読んでみては。
「文藝 2020年冬季号」
http://www.kawade.co.jp/np/bungei.html