例年12月~3月の間だけ見ることができる「フロストフラワー」が、今年も順調に開花中。北海道の阿寒湖に咲く、神秘的な自然の奇跡をご存じだろうか。
■ 儚いほどに美しい「フロストフラワー」が彩る厳冬の花畑
フロストフラワーとは、結氷した湖の上にできた雪の結晶が、3つの条件を満たしたときにだけ見られる奇跡の花のこと。
3つの条件とは“湖面に雪が積もっていないこと”“無風状態であること”“気温がマイナス15度以下であること”。日本国内にも数多くの湖があるが、これら3つの条件が揃う湖はマイナス15度の厳冬を迎える地域に限定されており、なおかつ大半は結氷した湖面に雪が積もるため、フロストフラワーを見るチャンスは結氷が始まる12月の1か月間に限られている。
しかし、阿寒湖では3つの条件を長期間揃えることができる奇跡の環境が整っているのだ。
■結氷後も雪が積もらない湖面があるのはなぜ?
阿寒湖は大きな火山の火口にできた「カルデラ湖」。もともとが火山地帯であったことから湖の底からは常時、温泉が湧き出ている。さらにここ阿寒では、湖底の泥が火山ガスとともに噴出するボッケ(アイヌ語で「煮え立つ」の意)とよばれる地質現象の「泥火山」もあり、噴出する約100度の火山ガスによって、結氷した湖面に多くの穴が空く。その穴が朝を迎えるころには再度結氷し、積雪のない結氷地域を日々作り出している。
■気温がマイナス15度以下まで冷え込む日が多いのはなぜ?
阿寒湖は標高が400メートルを超えていることに加え、太平洋側の気候のため、放射冷却による冷え込みが強い日々が多い。
■無風状態の環境が整うのはなぜ?
前述のとおり、阿寒湖自体が大きなカルデラ湖であることから周囲は山で囲まれており、その山々が風を遮ることから無風の状態が生まれやすい状態となっている。
これらの奇跡とも呼べる3つの条件が整うことの多い阿寒湖だからこそ、長期間、フロストフラワーが咲くチャンスがあふれているのだ。
■ 奇跡の絶景探しの後は
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フロストフラワーは毎日見られるものではない。上記3つの条件が整いやすい恵まれた環境下にあるものの、内1つでも条件が欠けると雪の華は姿を現さないことから、ここ阿寒湖でも湖面を彩る花畑を見られるのは自然が生み出す奇跡そのものなのだ。
また見事にフロストフラワーが咲いた場合でも、近づいてそっと息を吹きかけるだけでも一瞬にして溶けてなくなってしまう。
そんな儚いほどに美しいフロストフラワー。その儚さに尊さを重ねながら、希少な絶景を見に足を運びたい。
※注意
・フロストフラワーは3つの条件が整った際にしか発生しないため、確実にみられる保証なし。
・少しでもフロストフラワーを見つける確率を上げたい人は、経験豊富なスタッフとともにツアーなどで訪問しよう。
■ニュー阿寒ホテル
所在地:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉2丁目8-8
アクセス:帯広・釧路駅から有料送迎バス運行あり/JR釧路駅より車で1時間20分/釧路空港より車で1時間
URL:https://www.newakanhotel.co.jp/
(田原昌)