風情ある街並みに伝統工芸や伝統芸能が今なお残る加賀百万石の城下町、金沢。
「兼六園」や「ひがし茶屋街」、「にし茶屋街」、「主計町茶屋街」など、昔ながらの町家が並び日本情緒たっぷりの街並みの散策に訪れる観光客も多い。
「金沢21世紀美術館」、「加賀友禅会館」、「石川県立美術館」、「金沢能楽美術館」など、現代アートや伝統文化、伝統工芸の体験なども楽しめるスポットも多数点在する。
金沢市にある長町武家屋敷通りは、加賀藩士や武士たちの屋敷跡が残り、土塀に瓦屋根、石畳の小路が続く。小路を歩けば、屋敷町特有の情緒ある雰囲気が味わえる。
香林坊の繁華街からも近いが静かな街並みで、今も市民の生活の場として息づいている。
「武家屋敷跡野村家」では豪華な建物と美しい庭園を、「旧加賀藩士高田家跡」では修復された藩政時代の長屋門や池泉回遊式庭園を一般公開している。
「金沢市足軽資料館」では足軽の職務や日常生活を知ることができ、「長町友禅館」では本加賀友禅の工芸品と着物が多数展示されている。
街中にはカフェや飲食店もあり、観光客が昼食をとったり土産物を買う賑わいも見受けられる。
金沢を代表する和菓子店「村上」の金沢本店は長町の武家屋敷界隈に店を構える。
ふくさ餅、垣穂、きんつば、羊羹、落雁などのお土産用の箱入りのものから、すぐにいただけるバラ売りのものまで並ぶ。
店頭に縁台が置かれ、購入したお菓子と振る舞われたお茶とともにいただくことができるので歩き疲れたときの一休みにも。
「村上」のほかにも和菓子店が点在するのでひとつ、ふたつと購入しながら歩くのも楽しい。
武家屋敷跡に沿って流れる大野庄用水は、今も人々の生活と密接につながっているのであろう、散策の合間に見る水の流れが街の佇まいによく似合っている。
長町をはさむように流れるもうひとつの鞍月用水にはモダンな雰囲気を醸し出す橋やステップが架かり、通りと商店や住宅を繋いでいる。
いきなりのタイムスリップにドキリとさせられた街である。
(小椚萌香)