九州・武雄に1845年に開園した、国登録記念物の名勝地「御船山楽園」。
敷地の境界線上には、日本の巨木7位、樹齢3000年以上の武雄神社の神木である大楠があり、庭園の中心には樹齢300年の大楠がある。そのことからわかるように、御船山を中心とした素晴らしい森の一部を、森の木々を生かしながら造った庭園であることが想像できる。庭園と自然の森との境界線は極めて曖昧で、回遊していく中で森を通ったり、けもの道に出くわしたりする。森には、素晴らしい自然の巨石に囲まれた稲荷大明神がまつられ、洞窟には、名僧行基が約1300年前に岩壁に直接彫ったと伝えられる仏や五百羅漢がある。
何百万年もの時間の中で形作られた森や巨石や洞窟、そしてそこに千年以上もの時間をかけて人々が意味を見出してきた上に御船山楽園はあるのだろう。そして、今なお続く自然と人との営みが、庭園と森の境界が曖昧な、この居心地の良く美しい文化的遺産を生んでいるのだ。
そして、チームラボが毎年夏、この御船山楽園で開催しているアート展「チームラボ かみさまがすまう森」は今年で4回目を迎える。
昨年は、世界最大のアート・デザイン・建築のデジタルメディアdesignboom(デザインブーム)(http://mifuneyamarakuen.teamlab.art)で「2017年のアートインスタレーション(TOP 10 art installations of 2017)」の世界1位に選ばれたほか、CNN(http://edition.cnn.com/style/article/on-japan-teamlab/index.html)など、世界中のメディアに多く取り上げられた。
今年は御船山楽園で開催しているアート展に加え、御船山楽園に抱かれるように佇む御船山楽園ホテル内に「呼応するランプの森とスパイラル – one stroke」が開催され、さらにデジタルアート空間のスケールを広げた。
今年の「チームラボ かみさまがすまう森」では、大庭園内に「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」、「増殖する生命の巨石」、「かみさまの御前なる岩に憑依する滝」、「生命は連続する光 – ツツジ谷」、「夏桜と夏もみじの呼応する森」など、「自然が自然のままアートになる」プロジェクトの作品はじめ、この度リニューアルした御船山楽園ホテル内の「呼応するランプの森とスパイラル – one stroke」、EN TEA HOUSE – 幻花亭で体験できる「小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々」など、全18作品を展示予定。
大庭園が、人々の存在によって変容するデジタルアート空間になる。
会期:2018年7月19日(木)から10月28日(日)
会場: 御船山楽園(佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100)
入場料: 大人1200円、中高生800円、小学生・未就学児無料
ランプシェードに ムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)を使用した御船山楽園ホテルの「呼応するランプの森とスパイラル – one stroke」は、アート展会期終了後も展示される。
アートに抱かれるような体験をしに九州・武雄に出かけてみてはいかがだろう。
チームラボ かみさまがすまう森 http://mifuneyamarakuen.teamlab.art
御船山楽園ホテル:https://www.mifuneyama.co.jp/
(MOCA.O)