中国・ランファン市(廊坊市)にある美術館「Ennova Art Museum」で、「Ennova Art Biennale(イノヴァアートビエンナーレ)vol.01」が開催中だ。
国際的なアーティストの作品が展示され、インスタレーション作品や没入型の作品、メディアアート作品、さらに音という非物質的な素材にも焦点をあてている。
Ennova Art Museum最大級の国際美術展が開催中
総合文化芸術コミュニティー「シルクロード国際芸術交流センター」内にあるEnnova Art Museumは、「世界で評価されるアートを体感できる国際美術館」を目指して2019年に設立した。
10月27日(日)〜 2025年5月7日(水)の期間、開催している同展はEnnova Art Museum最大級となる国際展だ。
「多元未来―人生的新展望」をテーマに、日本人アーティスト11人を含む91人の国際的なアーティストが参加し、地球環境をはじめグローバルな問題に直面する人類の生き方、そして未来へのヴィジョンの示唆するアートを多数展示している。
エントランスには同展を象徴する2大作品を展示
同美術館は東西に長い建築となっており、エントランス西口にはアルゼンチンのレアンドロ・エルリッヒ氏の巨大な気球を展示。東端にはイタリアのファブリツィオ・プレッシ氏が山水から着想を得たというビデオ・インスタレーションを展示している。
第1章:「音」の歴史と未来をアートで表現
第1章のテーマは「Sound Consciousness」として「音」に注目。声や機械音、電子音など音の多様性には人類の歴史が刻まれ、先端技術を取り入れながら未来へと表現を拓く。
日本の坂本龍一氏と真鍋大度氏は音と時間を視覚化し、和田永氏はブラウン管モニタ-を楽器に蘇らせる。
第2章:境界線上で創造される作品
第2章のテーマは「Boundary Imagination」。「越境」をキーワードに、境界線上で創造される作品を紹介する。人間はさまざまなものを分類、定義してきたが、実際にはジャンルも境界もない。創造性も同じく他の領域と触れ合うことで生み出されることが多い。
アメリカのエイミー・カール氏はバイオテクノロジーと3Dプリンターで細胞のドレスを生成し、身体のアイデンティティを表現した。
第3章:環境問題と人類の持続可能性
第3章のテーマは「Sustainability and Environment」。環境問題と人類の持続可能性をテーマとした作品を展示する。
イスラエルのザドク・ベン=ダヴィド氏が創る黒い葉脈の草花の草原は、見る者の身体の移動により、カラフルな風景へと一転する。
第4章:人間の存在と未来へのヴィジョン
第4章のテーマは「Multiple realities」。生き方や哲学、マクロからミクロの世界まで、人間の存在をテーマにしたアートに未来へのヴィジョンを読み取る。
中国の缪晓春氏は、人と動植物が一体化した異形の存在を3Dプリンターで人と動植物が一体化した異形の存在を表現。人類の終末か理想かを問う。
さらに、同展では美術館のコレクションもテーマに合わせて紹介。大型の作品から、広大な国土より生まれる歴史と現代の様相を内包するような世界観も見どころだ。
地球と人類の持続可能性を表現する同展で、世界のアートを体感してほしい。
Ennova Art Biennale vol.01|イノヴァアートビエンナーレ vol.01
会期:開催中-2025年5月7日(水)
会場:Ennova Art Museum(中国、ランファン市)
オフィシャルサイト:https://ennovaartmuseum.com.cn/en/exhibitions/97.html
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000089259.html
(hachi)