【2024年秋】アートを新たな趣味に。東京都内で9月に楽しめる芸術イベント5選

秋といえば“芸術の秋”。そこで今回は、9月に都内で開催されるアートイベントの中から、特に注目の5点をピックアップしてご紹介。アートに触れることで日常に新たな視点を取り入れ、創造力を刺激してみては。

目次
「銀座 蔦屋書店」で半導体による美に魅せられる
大規模イベント開催、都内各所で“日常芸術”を堪能
天王洲に誕生した新ギャラリー、初の展覧会に注目
新鋭アーティストが六本木で個展を開催
六本木でテキスタイルの可能性を探る

「銀座 蔦屋書店」で半導体による美に魅せられる

銀座 蔦屋書店では、9月14日(土)から10月4日(金)までの期間中、淵上直斗さんの個展「Standing on Strangeness: We’re Only Human」を店内アートウォールにて開催する。

淵上さんは原子や分子に着目し、物質世界の構造や奇妙さ、そして人類との関係性をテーマに作品を制作するアーティスト。

彼の代表作「ℏ(エイチバー)」シリーズは、半導体のシリコンウエハーをメイン素材に使用。現代の情報社会を支える一方、人間の直感に反する微小な物質を応用する半導体の特徴を反映させながら、独自の世界観を持つ作品を作り出している。

今回の個展でも、「ℏ」シリーズの新作11点を展示。通常の画材とは異なる素材で新たな表現の可能性を探る。斬新な素材とコンセプトの融合がどのような視覚体験をもたらすのか、現地で確かめてほしい。

Standing on Strangeness: We’re Only Human
期間:9月14日(土)〜10月4日(金)
会場:銀座 蔦屋書店
所在地:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
詳細ページ:https://store.tsite.jp/ginza/event/art/42067-1442410808.html
※展示作品は会場にて9月14日(土)10時30分より販売/プレセールスの状況によっては、会期前に作品の販売が終了することがある

大規模イベント開催、都内各所で“日常芸術”を堪能

アートに興味がある人は9月27日(金)から11月24日(日)まで東京都内で開催される大規模アートイベント「TOKYO ARTSCAPES」も要チェックだ。

同イベントは日常にアートを取り入れる「日常芸術」をテーマに、「Exhibition」「Performance」「Fair」「Research」の4つのセクション構成で多様なアートコンテンツを展開する。

まず「Exhibition」では、無印良品 銀座 6Fでヨーロッパのアンティーク家具を扱う「krank」の展覧会「MOTHER -空想と現実のあいだにあるもの-」を実施。

「Performance」では、10月26日(土)・27日(日)の2日間、東京国際フォーラムで舞台芸術グループ「仕立て屋のサーカス」がライブパフォーマンスを行う。

さらに、「Fair」では、10月12日(土)から14日(月・祝)の期間、丸の内の「YAU CENTER」でプロのディレクターたちがアートとインテリアを組み合わせた「Contemporary Life Fair」を開催。その他、自由が丘や清澄白河などでも随時、諸々のイベントを実施予定だ。

最後に「Research」では、銀座・有楽町・日比谷の街中を舞台にした「銀座アンダー・グラウンディング」を実施。研究者やアーティストと共に街を探索し、その歴史や文化を深掘りする。

多彩なアート体験を楽しめるイベントとなっているだけに、飽きずにさまざまな刺激を得ることができそうだ。

TOKYO ARTSCAPES
期間:9月27日(金)〜11月24日(日)
詳細ページ:https://www.idee-lifeinart.com/exhibition/tas2024/
※各コンテンツの開催時間や場所は詳細ページ参照

天王洲に誕生した新ギャラリー、初の展覧会に注目

天王洲のアート複合施設「TERRADA ART COMPLEX II」には、この秋、新たなギャラリー「YOD Gallery 東京店」がオープンした。ここでは11月16日(土)まで、初の展覧会として「関根伸夫展 空相 ‒ ⽪膚」が開催されている。

Phase of Nothingness̶Skin 25

Phase of Nothingness̶Skin 25

関根伸夫さんは、1960年代から70年代にかけて美術界を席巻した「もの派」ムーブメントを代表する作家の一人。その作品は戦後日本美術を象徴するものとして、彼が亡くなった今もなお高く評価されている。

本展では、関根さんがロサンゼルスで最晩年に取り組んだ作品群を展示。「空相 ‒ ⽪膚」シリーズの作品とともに、制作過程のドローイングなど約30点を披露する。

Phase of Nothingness̶Skin 34

Phase of Nothingness̶Skin 34

関根さんの持ち味とも言える、東洋の伝統的な心性を反映した作品、そして空間へのアプローチを、新たなギャラリーで存分に堪能したい。

関根伸夫展 空相 ‒ ⽪膚
期間:開催中~11⽉16⽇(⼟)※日・月曜日は閉廊
会場:YOD Gallery東京店
所在地:東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 3F
詳細ページ:https://www.yodgallery.com/複製-current-exhibition

新鋭アーティストが六本木で個展を開催

クマ財団では今年、同財団が支援する若手アーティストによるシリーズ企画「KUMA selection2024」を展開している。9月26日(木)から30日(月)までは、プロジェクトの最終回として沖田愛有美さんの個展「祝福は傷口を伝っていく」が六本木で開催予定だ。

「ほほえみのビオトープ」2024

「ほほえみのビオトープ」2024

沖田さんは漆の絵画を独自の視点で再解釈し、人間と自然環境との関係性を探求するアーティスト。彼女は樹皮を傷つけて採取される漆を血液に例え、漆を作品の「共同制作者」と位置付けている。本展ではそうした漆の味わいを楽しめる一連の作品を展示。

「藪をいくもの(い)」2022

「藪をいくもの(い)」2022

次代に羽ばたく若き才能を、直接その目で確かめてほしい。

祝福は傷口を伝っていく
期間:9月26日(木)~30日(月)
会場:クマ財団ギャラリー
所在地:東京都港区六本木7-21-24 THE MODULE roppongi 206
詳細ページ:https://kuma-foundation.org/gallery/event/ayumiokita/

六本木でテキスタイルの可能性を探る

同じく六本木にある国立新美術館のミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」内のSFT GALLERYでも、10月21日(月)まで日本の職人たちの腕を活かしたテキスタイルブランド「kakapo」の展示販売会が実施されている。

同ブランドは、テキスタイルデザイナーであるカネイチヨウコさんが日常の風景や建築、現象をモチーフに描いたデザインを、シャツやバッグ、ポーチといったアイテムへと落とし込んでいる。特にシャツは質感や縫製にこだわっており、年齢性別問わず長く愛用できるとして評判だ。

上質なテキスタイルの中に潜むデザインの美しさを感じながら、新しいファッションの可能性を楽しみたい。

kakapoのテキスタイルプロダクト
期間:開催中~10月21日(月)※火曜日は定休/祝日または休日の場合は営業するが翌日が定休
会場:国立新美術館 B1 スーベニアフロムトーキョー SFT GALLERY
所在地:東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館1F, B1
詳細ページ:https://www.souvenirfromtokyo.jp/gallery/2024#kakapo

いずれも気軽に足を運べるイベントばかり。イベントを通してアートを日常の一部として取り入れ、豊かな感性を育んでほしい。

(IKKI)