ケルビーニ渾身のオペラ『メデア』が5月に日本初演!ひとりの女性の壮絶な復讐劇が観客を魅了する

東京・有楽町の地で多くのオペラファンを楽しませてきた「日生劇場」が、アニバーサリーイヤーを迎えている。記念公演のオープニングとして、埋もれていた傑作が登場。

5月27日(土)、28日(日)の両日、ケルビーニ作曲オペラ『メデア』が日本で初めて上演される。チケットは2月2日(木)から一般販売を開始している。

日生劇場開場60周年記念公演『メデア』

オペラとミュージカル文化の発信地、日生劇場。オペラを身近なものにするべく、一流の舞台を手の届く価格で上演することを掲げる「NISSAY OPERA(ニッセイオペラ)」は、多くのファンから親しまれている。

1963年のベルリン・ドイツ・オペラ『フィデリオ』でのこけら落とし公演以来、国内外のオペラ作品を上演し続けた日生劇場が開場60周年を迎える。『メデア』日本初演は、60周年記念公演の幕開けを飾る5月公演として企画された。

埋もれていた傑作がよみがえる

ギリシア悲劇を原作としたルイージ・ケルビーニの代表作であり、“劇的音楽の頂点”と称される『メデア』。

一時は歴史に埋もれていたが、稀代の歌姫マリア・カラスが主役を演じたことで復活を遂げた伝説的な作品だ。ケルビーニの音楽と演劇が融合したドラマティックな構成で、王女メデアの壮絶な復讐劇が紡がれる。

緻密な表現と幅広い演技、高度な歌唱・演奏技術が求められる本作。指揮にオペラ・交響曲の両分野で国際的に活躍する園田隆一郎氏、演出に演劇界の重鎮・栗山民也氏を迎える。

指揮 園田隆一郎氏、演出 栗山民也氏

指揮 園田隆一郎氏、演出 栗山民也氏

管弦楽は新日本フィルハーモニー交響楽団が担う。難役のメデアに挑む岡田昌子氏と中村真紀氏をはじめ、実力派の歌い手たちが日生劇場に集結する。

舞台は全3幕で、イタリア語上演、日本語字幕付となる。台本はフランソワ=ブノワ・オフマン氏。エウリピデス、ピエール・コルネイユの原作を、ケルビーニの劇的音楽が鮮烈に彩る。

9月に岡山公演も予定

演出の栗山民也氏は、『メデア』の真髄を「表と裏、悲劇と喜劇、愛と憎しみ、正気と狂気」という対極的な概念で表現する。

指揮の園田隆一郎氏とメデア役・中村真紀氏が、本作の音楽や人間ドラマの魅力を語るWebマガジン「ONTOMO」も必見だ。

メデアの激情と葛藤から、不条理と矛盾に満ちた人間の本質が浮かび上がるという本作。苛烈ながらも心を揺さぶるギリシア悲劇の傑作を見逃せない。

惜しくも今回の公演に都合がつかない人にも朗報だ。全国公演として、9月1日(金)には「岡山芸術創造劇場ハレノワ」のこけら落とし公演を予定している。続報を待ちたい。

日生劇場開場60周年記念公演 NISSAY OPERA 2023『メデア』
日程:5月27日(土)、28日(日) 各日14:00開演(開場30分前)
会場:日生劇場
所在地:東京都千代田区有楽町1-1-1
料金:S席12,000円、A席10,000円、B席8,000円
特設ページ:https://opera.nissaytheatre.or.jp/info/2023_info/medea/
出演者インタビュー:https://ontomo-mag.com/article/event/medea/

(SAYA)

※価格はすべて税込
※未就学児の入場不可
※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合がある