一生モノとして使える万年筆!国産の漆塗り万年筆「伝統漆芸 麗」第3弾は福井&青森にフィーチャー

セーラー万年筆が「伝統漆芸 麗(れい)」の漆塗り万年筆シリーズ第3弾として、2種の漆塗り万年筆を全国のセーラー万年筆製品取扱販売店にて発売した。

生涯使い続けられるだけの質を保つ万年筆は、違いを知る大人から愛されそうだ。

国産にこだわった「伝統漆芸 麗」の万年筆

漆塗りの調度品(漆器)の価値は、奈良・平安時代に貴族社会の富の象徴、神仏世界具現の麗美なものとして確立したとされている。

漆の語源と云われる「麗(うるわし)」は、この上もなく美しいものを意味する言葉だ。日本の美の概念が芽生え栄えたその時代ゆえ、器などに「うるわしさ」を与える言葉として「漆」ができたのは自然な流れかもしれない。

その「麗」の漢字を冠して生まれた「伝統漆芸 麗(れい)」は、漆を塗り上げて装飾する“伝統漆芸”を用いた筆記具シリーズ。

2019年にシリーズの第1弾として「輪島 曙塗」「輪島 溜塗」「津軽錆塗」、2021年に第2弾として「岩手樹水塗」「青森 流紋塗」「石川 創作加賀塗」が登場。

そして昨年12月、第3弾となる「福井 創作若狭塗」「青森 八戸塗」が販売されている。

マーブル模様を独自に表現した「福井 創作若狭塗」

「福井 創作若狭塗」は、漆芸作家・谷口淳司(たにぐちあつし)氏が手がける万年筆。

伝統漆芸 麗 福井 創作若狭塗万年筆 165,000円

伝統漆芸 麗 福井 創作若狭塗万年筆 165,000円

万年筆名にも含まれている「若狭塗」とは、福井県小浜市に伝わる伝統漆芸のこと。

若狭塗が生まれた小浜は若狭湾に面しており、日本三景のひとつの天橋立や気比の松原など、多くの景観地がある場所だ。江戸時代初期、若狭湾を望む領地があった小浜藩の御用職人が、漆塗りの新たな創案として美しい海底を表したものが「若狭塗」の語源とされている。

今回の万年筆に使われたマーブリング技法「創作若狭塗」は、若狭塗技法の特徴を継承しつつ、数々の試行錯誤により生み出された独自の塗り技法。マーブル模様の上品な味わいを堪能したい。

漆を重ねて塗った「青森 八戸塗」

「青森 八戸塗」は、漆芸作家・島守宏和(しまもりひろかず)氏が手がける万年筆。価格は165,000円。

同作に用いられているのは、青森の伝統工芸として知られる「津軽塗」から派生した「八戸塗」。

「八戸塗」は、島守氏が津軽塗の修業を積んだ後、八戸で漆を育て採取している人に感銘を受け、八戸を広めたいという意識から名乗った漆芸名だ。

青森は寒冷地のため漆の乾きが悪く色の出が良くはない。しかしこれを逆手に取り、漆の重ね塗りの研鑽を重ねた「研ぎ出し代わり塗り」という技法が生まれている。今回の万年筆も、漆の重ね塗りの味わいがよく滲み出ている。

「伝統漆芸 麗」の作品は、ペン軸や付属の一本袋、桐箱、名高い真田紐など、すべて国産にこだわっている。“間違いのない”逸品を探している人ならチェックして損はない。

セーラー万年筆公式WEBサイト:https://sailor.co.jp

(IKKI)

※価格は税込