横浜市民ギャラリーあざみ野にて、潮田登久子氏の写真展、歴史的にも貴重なカメラ・写真の展覧会を同時開催

横浜市民ギャラリーあざみ野にて、2023年1月28日(土)~2月26日(日)の期間、写真に関連する展覧会「あざみ野フォト・アニュアル2023」を開催し、現代の写真表現を紹介する企画展では「潮田登久子 写真展 永遠のレッスン」と題し、写真家、潮田登久子(うしおだ・とくこ)氏の個展を開催する。

また、「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 写真をめぐる距離」も同時開催するので、同展と共に楽しんでみては。

写真界の名だたる賞を授賞している写真家

1940年生まれの潮田登久子氏は、1975年にフリーランスの写真家として活動を始めて以降、静物を中心に端正なモノクロ写真を撮り続けてきた。それらの業績が認められ、2018年以降、日本写真協会賞作家賞など写真界の名だたる賞を授賞している。

約130点を紹介

「潮田登久子 写真展 永遠のレッスン」では、およそ45年ぶりに公開される初期作品「街へ」をはじめ、さまざまな家庭の冷蔵庫の外観と庫内を定点観察するように撮影した代表作「冷蔵庫/ICE BOX」、本と本の置かれている環境を撮影した「本の景色/BIBLIOTHECAシリーズ」三部作、そして写真家である夫・島尾伸三氏と、当時幼かった娘(しまおまほ氏/エッセイスト、漫画家)とともに生活した世田谷区豪徳寺の歴史ある洋館で撮影された「マイハズバンド」などのシリーズから、約130点を紹介する。

また、関連イベントとして、作家によるトークイベントや光田ゆり氏(美術評論)との対談、学芸員によるギャラリートークも開催する。

写真にまつわる様々な「距離」がキーワード

19世紀に写真が誕生してから、眼の前にあるものから遠く離れた天体まで、それぞれの距離にある被写体をおさめるために、多種多様なレンズが発展してきた。また、ピントの調節は、20世紀に距離計内蔵カメラなどが発達することによってファインダーを覗きながら行えるようになり、撮影スタイルに大きな変化をもたらした。

「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 写真をめぐる距離」では、撮影者と被写体、写真を見る人と被写体の距離、カメラに内在する距離に関する機構など、写真にまつわる様々な「距離」をキーワードに、収蔵するカメラや写真、関連資料を紹介。写真技術の発展と写真表現の関係を探る。

横浜市所蔵カメラ・写真コレクションを所蔵

横浜は日本における写真発祥の地の一つとして、近代日本の写真映像文化の発展に大きく貢献したと言われている。

横浜市ではこうした歴史を踏まえ、映像文化都市づくりを進めるため、アメリカのサーマン・F・ネイラー氏が40年にわたって世界各地から収集したカメラ、写真、写真関連アクセサリー、資料及び文献のコレクションを平成5、6年度に取得した。これらは、世界のカメラと写真の歴史が総合的にたどれるものとして高く評価されている。

横浜市民ギャラリーあざみ野では、貴重なカメラや写真、文献、約12,000件からなる「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション」を収蔵・管理するとともに、年1回のコレクション展、アートフォーラムあざみ野エントランスホールの小展示、WEBなどを通じて、多くの人に紹介している。

「潮田登久子 写真展 永遠のレッスン」と「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 写真をめぐる距離」を鑑賞しに、横浜市民ギャラリーあざみ野へ訪れてみては。

あざみ野フォト・アニュアル2023
開催期間:2023年1月28日(土)~2月26日(日)
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野
所在地:神奈川県横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野内
公式サイト:https://artazamino.jp/

(角谷良平)