「六本木 蔦屋書店」では、1年ぶりとなる、アーティスト・MIKITYPE(ミキタイプ)氏の個展「snow falling on cedars」を2023年1月14日(土)まで開催中。
同展は10月22日(土)~11月4日(金)、11月11日(金)~11月26日(土)、12月16日(金)~2023年1月14日(土)の3部構成だ。
ハイブランドとのコラボが話題のMIKITYPE氏の個展を観に、六本木まで足を延ばしてみては。
ハイブランドとのコラボも話題のアーティスト
アーティストのMIKITYPE氏は、1992年北海道・札幌生まれ。2015年に武蔵野美術大学デザイン情報学科を卒業。
大学で書体デザインを学びながら、2011年にヘルマン・ツァップ氏の展示で文字芸術としてのカリグラフィーに出会い、主催していた三戸美奈子氏のもと学びはじめる。
Comme des Garcons、Sacai、N.Hoolywood、Shiseido、Adidasとの協業や、CartierやMontblancとインスタレーションを制作する。
繊細かつ力強い線が生み出す静寂な世界
ここで、現代美術史研究家/東京藝術大学博士課程・鈴木萌夏さんのMIKITYPE氏の作品と同展についてのコメントを紹介したい。
「息をのむように筆が画面に着地したかと思えば、素早くそしてリズミカルだが繊細に書かれていたライン。
そのインクは白く、雪解け水のように滴り、湿度を保ったまま画面上に存在している。その線は一見文字のように見えるが、決して記号のように人工的な線ではなく、むしろ風に揺れる草木のようである。彼の絵画は、カリグラフィーという様式を用いた風景画なのだ。
本来カリグラフィーとは、文字を装飾的にしたもので、あくまでも文字にとどまっているが、MIKITYPEはカリグラフィーの技術や筆を使う身体性はそのままに、文字という伝達手段を飛び越えて絵画として昇華させたのである。
札幌生まれの彼が幼い頃に見た原風景。あたりを見渡せば一面が白い世界。草木に雪がつもり、その上に生えた葉にもまた雪が積もってゆく……。
その複雑なレイヤーで構成されている風景をMIKITYPEはカリグラフィー特有の手首や腕の動き、1本のラインの中にインクの強弱を加えることだけで、極限まで筆数を減らし、描く。確かな技術に裏打ちされ、計算された繊細かつ力強い線が生み出す静寂な世界。
MIKITYPEの描く“snow falling on cedars(ヒマラヤ杉に降る雪)”、その温度と流れる時間を感じてほしい。」と鈴木萌夏さんは述べている。
鈴木萌夏さんの言葉を借りれば「カリグラフィーという様式を用いた風景画」である、MIKITYPE氏の作品を観に「六本木 蔦屋書店」へ訪れてみては。
MIKITYPE “snow falling on cedars”
会期:10月22日(土)~2023年1月14日(土)※3部構成
10月22日(土)~11月4日(金)、11月11日(金)~11月26日(土)、12月16日(金)~2023年1月14日(土)
時間:11:00~20:00
会場:六本木 蔦屋書店 2F「BOOK GALLERY」
所在地:東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り
六本木 蔦屋書店 公式サイト:https://store.tsite.jp/roppongi/
(角谷良平)